概要
タイトル:あなたを悩ます話てもわからない人
著者 :柴田豊幸
柴田洋平
こちらが一生懸命に対応しても、話が通じず困ってしまうことがあります。
そのような際に、本書では個人から組織での対応へシフトしたり、対応のプロセスを見直したりすることを薦めています。
仕事を通して様々な人とつき合う中で、疲弊しないためのコツをアドバスしてくれています。
本書は、「話てもわからない人」とのコミュニケーションに悩んだことのある皆さんに、何らかのヒントをお伝えできればという気持ちからまとめたものです。
お役に立てる機会があれば幸いです。
(はじめに p3)
構成
はじめに
序章 本書活用のための基礎知識
第1章 「話してもわからない人」への事例と対応
第2章 問題が肥大化した場合の解決法
おわりに
顧客対応記録用紙(例)
参考文献
ポイント
Pキア Oギア
「話てもわからない人」との対応の仕方の基本の一つとしてあげられています。
Pギア:Personal(個人)の視点や対応
Oギア:Official(組織)の視点や対応
を切り替えることが大切です。
Pギアで相手の感情に寄り添って配慮することは重要です。
しかしながら、それでも話が通じない際はOギアで組織としての対応へ切り替えた方が良いです。
Oギアへの切り替えポイントは一体どんな場合か、本書で事例を元に示しています。
事例の文のポイントに注釈を入れているので、ポイントも認識しやすくなっています。
観察→分析・理解→反応・対応
基本のもう一つとして、以下のプロセスを通すことを薦めています。
・観察:どんな状況か(誰が、いつ、どこで、何が、なぜ、対応、損失は)
・分析、理解:観察を元に原因がどこにあるか、相手の背景の理解
・反応、対応:分析、理解から適切な対応を判断する
分析、理解がないまま対応してしまうと、冷静な判断ができず状況を悪化させてしまうことになりかねません。
起きている事態は同じで同じような対応をしていても、相手の状態はそれぞれです。
見逃さないようにするためにも「分析、理解」を挟むことは大切だと感じました。
「そうですね」と聞き流すテクニック
不快な発言についての対応のアドバイスです。
・業務に大きな支障がない限りは淡々と聞き流す
強く考えを押し付けられた場合は「NO」と意思表示する、具体的に名指しして侮辱する言動には組織として厳重に対処すればいい。
冷静になって対応するためにとても大切な点だと感じました。
Pギア→Oギアへの切り替えも、対応のプロセスも回すのも、相手の言動に左右されてしまっては上手くいかなくなってしまいます。
心のゆとりを保つために心がけておきたいです。
感想
仕事での一定ライン越えを起こすような言動、行動をされてしまった時に参考になる一冊です。
事例の説明があって、P(Personal)ギアでは対応しきれない旨、O(Official)ギアでの対応方法が述べられていて分かりやすいです。
いくつかの事例では、自分の側に認知バイアスかかっていませんか?とも注意を促してくれているところも日常を振り返る際に役立つと思いました。
厄介な要求などを受けることが多く困っている方、職場でのやり取りに悩んでいる方にとっておすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。