こゆの読書と美術の備忘録

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「メンタルの強化書」を読んで

概要

タイトル:メンタルの強化書

著者:佐藤優

 不安定になっていく社会の中で、どうやって自分のメンタルを守っていくのか。

 心が折れそうになった時、折れそうな時どうしたらいいのか。

 図々しく生きていければいいが、そういうことが出来ない人はどうしたらいいのか。

 本書はそんな悩みを持っている人へ向けて語られています。

 

資本主義の論理がむき出しになった現在の新自由主義経済の下では、繊細で優しい心を持った人が勝ち組になることはまず難しい。

「図々しい人」ほどのし上がる。

図々しいということは、言い換えれば「下品」だということでしょう。

すると成功するためには「下品力」こそ必要だということになります。

その意味で言うならば、メンタルの一番の強化法は「下品になること」だということになります。

ただ、それが結論であるならば、この本は必要でありません。(中略)

下品に落ちることなく、強く生きるにはどうしたらいいか?

この本ではそれを探っていきたいと考えています。

(表紙裏 ~本文より~)

構成

はじめに

第1章 下品化する社会とどうつき合うか?

第2章 「前のめり」な生き方をやめる

第3章 折れない!疲れない!自分のための働き方改革

第4章 心が折れた時の動き方・考え方

第5章 コミュニティとアソシエーションで乗り越える

 感想

 心を折られることの危険性、本書では鬱病を上げていますがそうならなくともメンタルをたたかれてしまうと個人としては避けたいところです。

 第3章では、心が折れないように働き方と向かい合う方法が述べられています。

 総合職、一般職、専門職の「働き方改革」への対応の選択肢や現在の仕事に対しての働き方のタイプ診断など参考になります。

 自分はどういう働き方を目指すのか? 総合職で最後までラインの競争の中で勝ち抜くことを目指すのか? 総合職ながら適度なところで落ち着くことを目指すのか?

 あるいは一般職として仕事はお金を稼ぐ手段と割り切り、仕事とプライベートをきっちり分けるのか? それとも専門職としてスキルをアップして自分の腕で食べていくのか?

 それぞれに厳しさが違い、それぞれにストレスやプレッシャーの質が変わってきます。大事なことは、自分で選んだコースを明確に意識して、覚悟を持って臨むことでしょう。

(第3章 折れない!疲れない!自分のための働き方改革 p116)

3章まとめ

●仕事の「達成度」と「快適度」のバランスを見直してみる

●頑張りすぎない。ある種のいい加減さも必要

●余計なエネルギーを使わない働き方を目指す

(第3章 折れない!疲れない!自分のための働き方改革 p177)

 第4章では、心が折れた時の対処方法が述べられていますが、とにかく休むことを薦めています。

 また、復帰後も6掛けで仕事量を減らして、ストレスを軽減して再発を防ぐことが大切だと述べています。

 心が危ないと感じたらとにかく「逃げる」こと。仕事から離れて「休む」ことです。なかなかそれができずに、最終的なSOSの信号が送られるまで仕事を続けてしまう人も少なくありません。

(中略)

 職場をいきなり離れるなんて無理だと思うでしょうか? 組織というのは本来そのようなリスクを軽くするために、組織として存在しているわけです。

(第4章心が折れた時の書き方・考え方 p151)

4章まとめ

●心が折れそうになったら、休む、もしくは逃げること

●不安だからといって何かに依存するのは逆効果

●怒りや恐怖をコントロールすることで心を整える

 現在、誰しもメンタルを崩してしまうということと無関係ではいられない中で、自分の心を守る参考になると思います。

  ご一読ありがとうございます。

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