こゆのときどき日記

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「僕らの新しい道徳」を読んで

概要

タイトル:僕らの新しい道徳

著者:岡田斗司夫

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 評論家(肩書はいろいろあるみたいです)の岡田斗司夫さんが道徳について対談した内容が収録されています。

 ゲストと対談の中で、現代に合わせた「道徳」とはいったいどういうものか探っています。

道徳というのは、感情の議論ではありますが、純粋に個人の好き嫌いで決まるわけではなくて、「こうしないといけないだろう」という、周囲に合わせたバランス感覚のことです。それは自分だけが納得する解答ではなくて、周囲も納得できる解答ではなくてはいけません。

(第1章 自我 なぜ今、道徳なのか p31)

構成

まえがき 僕たちは大事なことを1つ見逃してきた

第1章  自我 なぜ今、道徳なのか 

第2章  個人 現代の「ガンコオヤジ肯定論」 高木新平×岡田斗司夫

第3章  合理性 道徳を「損得」でとらえてみる 古市憲寿×岡田斗司夫

第4章  市民 ”庶民”が”大衆”になり果てるとき 小林よしのり×岡田斗司夫

第5章  共同体 不幸こそ分け合おう 開沼博×岡田斗司夫

第6章  人間 社会で生きる”生物”としての人間論 橘隆×岡田斗司夫

第7章  政治 閉塞感を破る鍵は、「オタク」と「ヤンキー」 興那霸潤×岡田斗司夫

第8章  活動 アートとデモは社会を変えるか 東浩紀×岡田斗司夫

第9章   幸福のためには、嘘を信じなくてはならない

オマケのあとがき

ポイント

 現代の道徳という難しい問題に対して対談をしているのですが、道徳に対してアプローチする議題も「教育」「原発問題」「政治」など答えを出すのが難しい問題を取り扱っています。

 ただ、ゲストとの対談形式で問題に対して考えていく過程は読んでいて面白いです。

 私が特に興味を持ったのは

第3章 合理性 道徳を「損得」でとらえてみる

ですね。

 第3章は道徳の教育について、以下のような見解が出てきました。

 道徳の教育をする上で2通りの方法を活用するのが良いのではないか?

・ストーリーをもって道徳を教える:道徳A

・利益誘導で国民の道徳を教える :道徳B

 道徳Aでは、現代のストーリーで道徳を教えるとしたら何が適切か?という疑問について考えています。

 道徳Aとしては、「努力・友情・勝利」、勧善懲悪の世界観のある少年ジャンプが適切だと述べています。

 確かに、今の社会に合っているし、少年ジャンプの道徳は面白そうです。

 道徳Bは、道徳Aでは合わないという人向けに「損得勘定」で道徳の共通認識を作り上げていくといったものでした。

 道徳Bは、意識して教えられると道徳Aとバランスが取れていいなと感じました。

 感想

 対談形式で著者が突っ込んで質問していく中で、「道徳」について考えを煮詰めていくプロセスは面白いです。

 道徳といった、普段何となくで感じているものについて考える機会になりました。

 いろいろな道徳についての考え方のアプローチを知れるので、頭の体操にもなりますので気になる方は読んでみてください。

  ご一読ありがとうございます。

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