概要
タイトル:本をサクサク読む技術
著者 :斎藤考
動画・音声・SNS、今ではいろんな媒体で情報や娯楽を見聞きすることができます。
本は古くからあるそういった媒体の一つですが、昨今の動画などと比較しては面倒くささがありとっつきにくい点があります。
しかしながら、本は体系的に知識を手に入れたり、深く読み込んでいったりといった点では十分有用なツールです。
本書では、面倒くささを解消して、楽しくたくさん読むための贅沢三昧な読書法について解説しています。
一文も逃さず、全文をきっちり読むべきだ、という「正論」はたしかに「正論」ですが、その「正論」ではたくさんの本を読めない人のために本書を書きました。
本書を読んで「ちょっと書店にでも寄ってみようか」「ネットで面白そうな本でも探してみようか」という気になったとすれば、著者としてたいへん嬉しく思います。手に取った本をサクサク読む快感を、大いに味わっていただければ幸いです。
(終わりに p221)
構成
はじめに 瞬時に本の“養分”を吸収する方法
1章 「読破」するにはコツがある
2章 長編小説を挫折しないで読む方法
4章 難解な翻訳書・学術書を読みこなすコツ
5章 本を選ぶヒントー王道から邪道まで
おわりに
ポイント
読書家ほど「不真面目」
一冊の本を読み通すのは難しいかもしれません。
そんなときは、無理に読み通そうとせずにエッセンスだけでも読み取るだけでも十分です。
本書では、自分の知りたい知識を引き出したり、内容を人に話せる程度読めれば「読了」と考えても良いとアドバイスしています。
人によっても読みやすい本、読みずらい本あると思いますが、読み通すことにこだわらないことが、いろんな本と出合って読んでいくコツですね。
一つのキーワードから世界を広げる
読む本を選ぶとき、興味のあるキーワードを決めて芋づる的に選んでいくと世界が広がって面白いです。
「世界史」というキーワードが一例として出されていましたが、私も同じように読む本を選んだいたりしたので、興味深かったです。
「世界史」だと歴史に関わるものは当然ですが、食べ物や経済といった分野にも幅を広げることができるので、迷ったときの本の選び方としておススメです。
難しそうな評論文は「感情」に注目
難しい評論文を読むコツとして、著者が何が好きで何が嫌いかを見極めることを薦めています。
一見中立的かと思いがちな論評文ですが、主張したい何かを持って書かれています。
感情に注目することで、難解な文を共感して読みやすくなります。
著者のバックグラウンドを調べたり、コラム、動画などを見てみるのもいいかもしれません。
感想
本を読みやすく向き合うためのコツが述べられています。
小説や古典、翻訳書・学術書の様々なタイプの本について、取りつきやすくなるアドバイスは普段読まないタイプの本を読むときに特に役立つと思います。
読書に行き詰ってしまった方、久しぶりに本を読んでみようと思っている方などにおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。