概要
タイトル:ビジネスマンの心の病気がわかる本
著者 :山本晴義
働くなかで様々な環境に晒されることによって、心身が疲弊してしまうことがあります。
本書では、心身不調の症状、治療法、自分でできること、周囲のサポートなどについて述べられています。
本書では、職場で起こりやすい心のトラブルと、その背景として考えられる病気、そして対応の方法を、例を挙げて解説しています。
トラブルを起こす人が、必ずしも病気にかかっっているとはかぎりません。しかし、対応を考えるうえで、心の病気についてくわしく知っておくことは必要です。どうして出勤できないのか、その原因がわかれば、対応の糸口はみえてくるはずです。
また、トラブルを未然に防ぐコツとして、ストレス解消のアイデアも数多く紹介しています。考え方を一つ変えるだけで心の重荷は簡単にとれます。ストレスを毎日精算していれば、心の病気は予防できるのです。
本人も、家族も同僚も、自分の考え方を見つめ直し、ストレスをためない生活を、ぜひ実現してください。
(まえがき p1)
構成
まえがき
症状チェック 仕事中、こんな症状に悩まされませんか?
①出勤できない・・・。その原因は?
②誰でもいいから、悩みを伝える
③いまある仕事をどうするべきか
④本人にしかできないこと
⑤家族、同僚にできること
ポイント
ストレスの3段階
本書では、ストレスのたまり方を「警告期」「抵抗期」「疲憊期(ひはいき)」の3段階に分けています。
・警告期
ストレスを感じてはいるが、ほとんど症状がない時期。本人はちょっと疲れ気味と認識している場合が多い
・抵抗期
ストレスがたまり、心身が抵抗し始める段階。精神的に落ち着かなくなったり、疲れにたえて頑張ろうとする
・疲憊期
重いストレスに負けて疲れきり、心の病気にかかりやすい状態。心身ともにエネルギーがなくなっている
3段階目の「疲憊期」まで行ってしまうと、うつ病など自分の力では改善できなくなってしまうので、2段階目の「抵抗期」までに気づいて対策を打つ必要があると注意しています。
頑張りすぎは良くないとわかっていても、ついついやってしまいがちです。
ストレスの蓄積を3段階に捉えることは、以前読んだ「心の疲れをとる技術」でも出てきていて判断基準として効果的なのかと感じました。
SOSのサイン
ストレスから勤務態度に現れる10個のSOSサインを述べています。
1.何かにつけて異動を希望
2.自分の仕事に集中しすぎる
3.机や服装がみっともない
4.休み明けの遅刻が多い
5.自分の評価を気にしてばかり
6.外出することを嫌がる
7.たわいない議論にむきになる
8.小さなミスをいつまでも引きずる
9.毎日のように頭痛、腹痛
10.打ちあわせの話が通じない
元々、自分の資質として当てはまっているものはいいとして、定期的に確認して増えていっていたりしていると要注意です.
自分の仕事に集中しすぎるっていうのは意外でした。
周囲に気配りする余裕がなくなっている状態は確かに危うい状態かもしれませんね。
自分もですが、周囲の人を見て気づいたら助け舟を出してあげたいですね。
イライラは毎日精算
ストレスの解消として、「平日我慢して休日解消」より「ストレスは毎日精算」を薦めています。
平日は時間がないためこまめにできるストレス解消法を紹介しています。
・15分運動(ストレッチ、体操)
・笑う、怒る(会話など)
・深呼吸
そんなに時間をかけず、30分程度でもできれば十分です。
他にも、自分の好きなことがあれば、1日の中に予定組み込んでしまってもいいと思います。
アナログ思考
思考を柔軟にしてストレスをためない方法として、「アナログ思考」を薦めています。
成功↔︎失敗、数字で比べる、回答を出す、など白黒つける考え方も大切ですが、精神的な圧迫を感じてしまいます。
仕事をするうえでは必要かもしれませんが、プライベートにまで持ち込まなくても大丈夫です。
仕事もアナログ思考で考えることで、気分を切り替えて上手に一息つけるようになれると思います。人にも優しくなれそうです。
感想
ビジネスマンが陥りやすいストレス多寡な状態について解説してくれています。
調子が悪いと感じても、ストレスや心の内面の場合、自分で考えただけではなかなかわからないことも多いです。
自分のストレスがどこからきているのかを知るきっかけにはなるかと感じました。
また、休職や復職などについても話ありますので、自分だけでなく周囲の人が調子を崩した際の参考になるかと思います。
ちょっとでも精神的に疲れているかなと感じている方、疲れがたまった時どんな症状になるのか気になる方にとっておすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。