概要
タイトル:スマホ脳
著者:アンデシュ・ハンセン
訳者:久山葉子
私たちの生活に欠かせなくなったスマホ。
そんなスマホが脳に与える恐ろしい影響と脳の仕組みを巧みに見通してくみ上げられているシステムを知ることができます。
人類史上、ここ数十年ほど急速にライフスタイルが変化したことはない。
しかも変わったのはデジタル関連の習慣だけではない。これまで人類が体感したことのない種類のストレスが存在するようになった。睡眠時間が減り、座っている時間が増えた。そういうことは全部、脳にしてみれば未知の世界なのだ。これがどういう結果を引き起こすのか
ーこの本は、それに答えようとした結果だ。
(まえがき 1/1)
構成
まえがき
第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
第7章 バカになっていく子供たち
第8章 運動というスマートな対抗策
第9章 脳はスマホに適応するのか?
第10章 おわりに
デジタル時代のアドバイス
謝辞
ポイント
第2章でストレスとうつのメカニズムについて述べられていて、人間として正常な反応の結果、うつという症状が出てしまうことが分かります。
そもそも、人類は現代社会に適用するような進化をしていない。
ストレスを感じる環境も
「自然の中で天敵から襲られる危険」 →短い時間のストレス
「日々の予定の中でのやりとりに対する焦り」→長期間の継続したストレス
と変わっていて、長期のストレスがうつを引き起こす要因として大きいと述べられています。
第3章から第7章まではスマホの性質と脳に与える影響が述べられています。
中でも驚いたのは、SNSでいわゆる「いいね」が付くタイミングが保留されるということです。
脳内の報酬系が煽られるタイミングを熟知して設定されているのを知ると、スマホが集中力を乱すというのも納得できました。
第8章では、対策として運動することがあげられています。
運動をして体のコンディションを整えることで、ストレスに対して過敏に対処しないような状態を作るのが大切だと述べています。
これは、子供から大人関係なく少しの運動でも効果があるのでぜひ取り入れてほしいです。
感想
スマホの恐ろしさが良くわかる本です。
何となく分かっていても、具体的にどうして?っという疑問について脳の仕組みや人類の環境の変化からアプローチしている説明には納得できます。
スマホがない生活は考えられないので、いかに悪影響である
・ストレスの増加
・集中力の低下
を防いでいくかが付き合い方の鍵だと思います。
運動は確実に効果あるので、生活の中に取り入れていくのが第一歩だと思います。
今の社会に生きるほぼすべての人に参考になる一冊になると思います。