概要
タイトル:経済評論家の父から息子への手紙
お金と人生と幸せについて
著者 :山崎元
山崎元さんが、大学へ進学する息子に宛てた手紙から働き方・稼ぎ方につてい詳しく述べています。
資本主義でのリスクに対する考え方、昭和〜平成〜令和での働き方の変化などについての見解を知ることができます。
著者は大学に入学した息子に宛てて手紙を書いた。文面の一部に「お金の稼ぎ方・増やし方」についても思うところを書いた。本書は、主にその内容を必要十分な程度に詳しく説明したものだ。
想定する読者は、第一に著者から見て息子や娘のような年齢の、これから働き、お金を稼ぎ、増やして、使っていく「若い人」だ。もちろん息子本人も含まれる。
(中略)
本書では、まず、かつての働き方がなぜダメなのかを確認して、どのように働くのが有利なのかを理由とともに説明する。その上で、一生を通じて役に立つお金の扱い方、幸せな人生を送るためのあれこれなどを経済の仕組みとともにコンパクトにお伝えしたい。
(中略)
読者にとって実用的で役立つことを第一に心掛ける。機嫌の良い人生を送るお役に立てたら幸いだ。
(まえがき p002-005 )
構成
まえがき
第一章 働き方・稼ぎ方
第二章 お金の増やし方と資本主義経済の仕組み
第三章 もう少し話しておきたいこと
終章 小さな幸福論
付記 大人になった息子へ ー 息子への手紙全文
あとがき
ポイント
新しい働き方のマインドセット
今の新しい働き方の目指すところとして、2つを掲げています。
1.「時間の切り売り」では達成できない効率性を求めてなるべく若いうちに財産をつくる
2.働き方の「自由」の範囲をなるべく広げる
そのために必要なマインドセットとして以下をあげています。
1.常に適度な「リスクを取る」
2.他人と異なることを恐れずにむしろそのために「工夫をすること」
本書では、経済の仕組みとしてリスクを取ってもいいと思う人がリスクを取りたくない人から、利益を吸い上げるようにできていると述べられています。
また、株式性との報酬と上手く関わっていくことを薦めています。
「適度なリスク」は人それぞれかと思います。
ただ、身の振り方を決めるときに、リスクを取らないことの不利益があることは意識しておきたいです。
運用の基本
経済評論家として、お金の専門家でもある著者は運用についてもアドバイスしています。
(1)生活資金の3〜6カ月分を銀行の普通預金に取り分ける。残りを「運用資金」とする
(2)運用資金は全額「全世界株式のインデックスファンド」に投資する
(3)運用資金に回せるお金が増えたら同じものに追加投資する。おかえが必要な事態が発生じたら、必要な分だけ部分解約してお金を使う
これが基本です。
他の著書や動画などを見たことある方はご存知ですが、シンプルこの上ないです。
単純ですが、景気動向に左右されず淡々とやっていくべきことを述べる。そこが評論家としても魅力的なところです。
働き方のコツ、覚書
息子への働き方、稼ぎ方をアドバイスしています。
約30ページに渡って、著者のこれまでの経験に基づいた気づいておかないと損をすることがよく起こることについて述べています。
・自分の人材価値を中心に考える
・自己投資で得るものは、知識・スキル・経験・人間関係・時間
・キャリアプランニングで意識する「28歳」「35歳」「45歳」
など、フレーズとともにアドバイスが加えられています。
これまでのキャリア論の集大成的なものとなっていて、改めて読み返すものもあます。
参考にななったり、できてなかったなといったりこちらも色んな思いになります。
感想
息子さんへ宛てた手紙が元になっているので、語り口調もざっくばらんな感じで親しみを感じる印象になっています。
経済評論家でもあるので、投資などの内容はもちろんですが、転職なども多数されていてキャリア論などにも非常に魅力があります。
他にも、資本家をカモにする「労働者タイプB」や「資本主義ポジショニングマップ」「お金と自由のポジショニング」など面白い話もたくさんあって、今までの著作などの集大成な内容でもあります。
これから社会に出る方、現在働いている方におすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。