概要
タイトル:半導体立国ニッポンの逆襲
2030復活シナリオ
著者 :久保田龍之介
今、何かと話題になっている日本への半導体投資、これまでの日本の半導体の歴史、現状と合わせてラピダスへの動きが語られています。
現在の取り巻いている状況や、著者の将来のシナリオから今後起きていくであろう事象の身通しを知ることができます。
激化する米中対立。
懸念される台湾有事。
新しい戦争の形を見せるウクライナ戦争ー。
戦略物資となった半導体確保を巡り、期せず巡ってきたラストチャンス。
かつての世界一も今は昔。
日本は、この気に乗って復活できるのか?!
(カバーそで)
構成
付録 数字で分かる半導体世界情勢
付録 知っておきたい半導体用語
第0章 プロローグ
第1章 ラピダス、始動
第2章 経産省が描く復活シナリオ
第3章 死んだ自由貿易
第4章 米国が狙う新サプライチェーン
第5章 「国プロ」の黒歴史を超えて
半導体重大事件年表(1948年〜2030年)
おわりに
ポイント
3つのラストチャンス
現在、日本で盛んに半導体の投資がされている理由として、次の3つをあげています。
・技術変革 :微細化、異種チップ集積といった技術変革に遅れを取れない
・人材 :ノウハウを持った技術者がいなくなる
・国内の危機:先端半導体がないとデジタルインフラの整備ができなくなる
技術変革や人材はどの業界でもそうですが、デジタルインフラを動かす上で半導体はなくてはならないものなので、確保するという点でも特徴的な理由だと感じました。
地政学的なリスクなどもありますし、自前で作れるのは強みになります。
3つのステップ
→ステップ2:半導体プロセスの微細化・3次元実装(2020年代中・後半)
→ステップ3:将来技術の研究開発(2030年〜)
今後、この流れに沿った動きが出てくるのかと思います。
今は、ステップ1の工場の整備・強化時期なのでしょう。
頭に入れて、ニュースなどを見てみると上手くいっているのか、いないのか人よりちょっとだけ先んじて考えられるかもしれません。
感想
今、いろいろとニュースで話題になっている半導体関連の現状と未来予測を知ることができます。
特に、ラピダスについては報道のリリースの状況や発足の裏?話的なことなども語られているので興味深いです。
半導体に興味のある方や、特に国内、ラピダス興味のある方にとってもにおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。