概要
タイトル:ビジネス教養としての半導体
著者 :高乗正行
スマートフォンやパソコンなど様々なものに使われている半導体ですが、いろんなものに使われすぎてイメージしづらい所もあります。
本書では、半導体の物質的な特徴、基本的な仕様法だけでなく、取り巻く社会的な情勢についても解説しています。
ビジネス教養として知っておきたい半導体の知識を技術・社会面の両方から知ることができます。
本書では、半導体という言葉は知っていても詳しくは説明できないビジネスパーソンに向け、時事問題を語る場やビジネスシーンで求められる大人の教養としての半導体について解説します。そもそも半導体とはどのようなものか、半導体が人々の生活や産業インフラに欠かせないものになるまでの進化の歴史、半導体を巡る世界の動きについて詳細に述べていきます。
本書を通じて知らないと恥をかくビジネス教養としての「半導体」の知識を身につけていただけたら、著者としてこれ以上の喜びはありません。
(はじめに p4 )
構成
はじめに
第1章 知らないと恥をかくビジネス教養としての「半導体」
第2章 生活インフラに欠くことのできない半導体とはそもそも何か
第3章 半導体産業の発展が文明を発展させる
経済の要となる半導体進化の歴史
第4章 半導体は石油などと並ぶ国際戦略物質
世界中で需要拡大が続く半導体産業の動向
第5章 2030年、半導体市場は1兆ドル時代へ
進化し続ける半導体が社会に起こす変化とはー
おわりに
ポイント
半導体の機能分類
半導体の分類として、使われる機能で以下のように分類されます。
・デジタル半導体
データの演算や記憶を行い、人間の「頭脳」「記憶」に相当する働きをする
・アナログ半導体
時間軸上で連続的に変化する電気信号のまま処理、制御する
・センサ
温度・圧力・加速度などを電気信号にして出力する
・パワー半導体
大きい電流・電圧を取り扱い制御・変換する
情報やエネルギーを電気信号で伝えたり、置き換えたりする用途として広く使われています。
半導体が使われる以前に使われていた、真空管や磁気媒体と比較して非常に小型でき、現在ではほとんどの電気を使う製品に欠かせないものとなっています。
半導体の供給
半導体の供給が急に止まる危険性が高い理由を2つあげています。
・半導体材料や製造装置の分野では特定の会社が高いシェアを占めている
サプライチェーンは世界中にあるが、材料・装置などは特定の会社に集中しているので、一つ止まってしまうと全体がストップしてしまう構造になってしまっています。
世界中関りがあるが、リスクヘッジとなる分散にはなっていないところが、半導体不足の要因になっています。
感想
基本的な半導体の特徴から、歴史、社会情勢まで広く語られています。
さらに、著者の現状分析、未来予測なども加えられて、今後業界としてどういった展開がされていくのかを窺える内容にもなっています。
軽く読んでも一通りのことが知れて、ニュースなどをちょっと深く読み解けるようになる助けにもなります。
半導体について全体像として把握したい方、ニュース等見て半導体にもう一つ知りたくなった方などにおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。