こゆのときどき日記

美術館・読書・その他いろいろ。。。

当ブログでは一部記事にアフィリエイト広告等を利用しています

【読書】対話型OJT“主体的に動ける部下”を育てる知識とスキル

概要

タイトル:対話型OJT

     “主体的に動ける部下”を育てる知識とスキル

著者  :関根雅泰

     林博之

 組織の中で多様なメンバー、働き方が進んできた昨今、教育方法にも変化が必要になってきています。

 本書では、「対話型OJT」として、さまざまな研究結果に基づいた「知識」「理論」、具体的な「スキル」「実践法」について伝えています。

 簡単に本書の概要をご紹介します。

 第一章では、「変化が大きく、答えがわからない今の時代」に、どういう人材を育てれば良いのか、その方向性を提示します。そして、第2〜第4章では、そうした人材を育てるために必要な知識・スキルを、「ヒト・コト・トキ」に分けて整理していきます。

 そのうえで、第5章〜第7章では、「対話型OJT」の具体的な方法論を、リモートでの接し方や、手離れを促す教え方を含めて紹介していきます。さらに最終章の第8章では、本書で紹介した知識やスキルをオンライン環境で具体的に活用していく方法を、ケースとともに紹介していきます。

(はじめに p6)

 

構成

はじめに

第1章 Why ー なぜ、今「自立型人材」が求められるのか?

第2章 Who ー 誰が教えるのか 〜OJTネットワークを築く〜

第3章 What ー 何をやってもらうのか 〜経験学習を提供する〜

第4章 How long ー 育成にかかる時間

第5章 How ー 対話型OJT 〜「答えがわからない時代」の教え方〜

第6章 How ー リモート環境での効果的なコミュニケーション

第7章 How ー 教える 〜スキャフォルディングで足場をかける〜

第8章 Where ー リモート環境での対話型OJTを実践する

おわりに

謝辞

参考文献

索引

ポイント

育成目標

 本書では、育成目標を大まかな方向性を半年後、1年後などの時間軸を持って設定するものとしています。

 育成目標については、大まかな方向性を示して部下・後輩と合意を得ることを薦めています。

①まず、部下・後輩自身がどうなりたいのか、どういう方向に進みたいのかを聞く

②個人の思いを聞いたうえで、上司・先輩であるあなたの考えと、会社の期待を伝える

③①②についてすり合わせていく

(第1章 Why-なぜ、今「自立型人材」が求められるのか? p37)

 目標設定を提示する中で、身に付けてほしい、出来るようになってほしいことを「態度・姿勢」「スキル」「知識」としてカテゴリ分けしてみることも有効です。また、1カ月、3カ月、半年と振り返りの機会を設けられるするとよいです。

 「スキル」「知識」はよく教育計画などに盛り込まれていますが、そこに「態度・姿勢」を加えるとより求めているものが見えやすくなります。

3種類の支援

 部下や後輩に対しての支援について、次の3つの支援を提示しています。

「内省支援」:客観的な意見や振り返る機会の提供といった本人が自己を省みる手助け

「業務支援」:仕事の相談に乗る、必要な情報を提供するといった仕事の手助け

「精神支援」:精神的な安らぎや心の支えといった安心感を与えるような手助け

(第2章 Who-誰が教えるのか~OJTネットワークを築く~ p63)

 この中で、特に「精神支援」が能力の向上に直接の影響を与えています。上司へは、「精神支援」への注力を薦めており、その他の支援は同僚などの周囲と協力して「精神支援」疎かにならないようにしなければなりません。

 どちらかというと、病んでしまわない、辞めてしまわないために、「精神支援」が重要と感じていたので意外です。

 いわゆる、心理的安全性が土台となる前向きな行動が能力向上へ大きく寄与するのだと思います。

感想

 新人受け入れの際に大切なOJTの大切なポイントを解説してくれています。

 育成目標や支援などは基本的なところですので、ぜひ押さえておきたいです。

 他にも、中途社員やリモートでのOJTについて、準備から独り立ちまでの支援の事例を紹介しています。

 物量は多いですが、その分丁寧に説明されているので分かりやすい内容になっています。

 OJTをする側の方にはもちろんですが、今OJTを受けている方とってもにおすすめな一冊です。

 ご一読ありがとうございます。

koyux.hatenablog.com

koyux.hatenablog.com