概要
タイトル:くすぶる力
著者 :斎藤孝
人生うまくいかないことも多々あり、思い悩んでしまうことがあります。
そんな「くすぶってしまう」状態を力に変えていくアドバイスをしています。
理想と現実にギャップを感じくすぶった状態は苦しいですが、前向きに捉えて逆行へ立ち向かうための勇気をもらえます。
最近私が懸念するのは、若者の多くがくすぶることよりむしろ自分を過小評価して、そこそこのところで小さくまとまって終わっていることです。
たいして面白くもないけれど、自分の人生はこんなものだろう、と。安全・安定に安住して、ローリスク・ローリターンで手を打とうとしていませんか。
確かにそれもひとつの生き方ですが、潜在能力が高い人物が小さくまとまっているのを見ると残念な思いにかられます。
(中略)
小さくまとまるでもなく、あるいは自己否定するのでもなく、思いっきりくすぶってほしい。それが人生を前へと進める推進力になります。その推進力こそが生きる醍醐味であり、ひいてはその人の魅力となるでしょう。
「自分がいまくすぶっている」という”くすぶり感覚”をきちんと意識化して、「だから自分はどうすべきか」考えてみることです。
本書がその後押しの役割を果たすことを願っています。
(はじめに p5)
構成
はじめに
第一章 くすぶりがパワーを生む
第二章 くすぶりながら、力を貯める
第三章 くすぶり時代・九カ条
第四章 くすぶりから脱するために
第五章 くすぶった人間は強い
おわりに
ポイント
くすぶり時代の九カ条
やることが上手くいかず、現実と理想のギャップが深いくすぶり時代。
その時に、心がけたいことについてアドバイスしています。
1 評価の基準は自分で決める
2 不安と仲良しになれ
3 クレージーから発想が生まれる
4 社会から外れたら自己表現はできない
5 ガスを抜かずに自分の世界を作る
6 ヴィジョンとアイデアは書いて育てる
7 プロの才能と張り合う
8 仕事の中で疲れない一点を見つける
9 素直で貪欲な態度で人に向かう
自己批判が強くなって気分が落ち込んだ状態から抜け出せなくなったり、頑なになってしまい考えが硬直してしまわないことに注意するよう述べています。
6の「ヴィジョンとアイデアは書いて育てる」は考えを整理できたり、チャンスが来た時準備にもなりますし、前向きになれるような行動なのでいいなと思います。
ノートでもブログでも書いてみるのはお勧めです。
チャンスをつかむために
くすぶりから脱するために、一番いい方法はチャンスをつかむことです。
チャンスをつかむこと自体が難しいのですが、行動して実績を作っていくことが大切さを述べています。
中でも「サンプルを作れば話が早い」は、意欲や能力を伝える手段として有効なのかと感じました。
以前読んだ、「メカニックデザイナーの仕事論」でもメカデザインのプレゼンで模型を作って持っていく話をしていたのを思い出しました。
そのままでは、実績を示すことが難しかったりする際は、一つ前の段階としてサンプルを示すことでアイデアの共有や協力を得るきっかけ作りができるかもしれません。
くすぶりを抜け出した先
辛い「くすぶりの時代」ですが、脱した先には「抜け出す感覚」を得られます。
一度「抜け出す感覚」が得られれば、次煮詰まったとしても突破していける自信を持つことができます。
本書では、くすぶりの難度が高い場合の話が多いですが、誰しも苦心して小さな「抜け出す感覚」は得ているはずです。
くすぶっている時はつらいですが、その先にある成長や達成感を感じられることが信じられれば、くすぶり時代もなんとかやっていけるのかと思います。
感想
くすぶっている時期はなるだけない方が良いですが、理想と現実のギャップから、どこかではまり込んでしまうかもしれません。
危険な時期ではありますが、なんとか乗り切って自分の人生にプラスにしていきたいです。
本書から、くすぶりの時期を自分の力を蓄える時期に変えられるアドバイスを得られると思います。
まずは、負のループに陥らないことが一番ですね。
仕事や普段の生活でギャップを感じている方、くすぶっていると思っていて何をすればいいか分からない方におすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。