概要
タイトル:バビロンの大富豪
著者 :ジョージ・S・クレイソン
翻訳 :大島豊
有名な本なので、聞いたり、読んだりした方も多いかと思います。
古代都市バビロンを舞台とした富を築くための原則が語られています。
バビロンでの富に関する物語から、現代にも通じる成功法則を知ることができます。
私たちの成功は、準備が適切にされたかどうかによって左右されます。適切な準備(正しい考え方)なくして適切な行動はあり得ず、適切な行動なくして適切な準備はあり得ません。
この本は、富とそれにまつわることを理解するための手引き書として書かれた、「空の財布の治療薬」のようなものです。もっと富を得たいと強く望んでいる方々のために、富を手に入れ、手に入れた富を守り、そして余った富でさらに多くの富を手に入れる、本書にはそのための助けになる奥義が記されているのです。
(はじめに p3)
構成
はじめに 古代バビロンの市民は、世界で最も裕福な人々だった
プロローグ こんなに働いているのに、どうしてお金が貯まらないのだろう
第一話 財産を築くには不滅の「原則」があった
第ニ話 富をもたらす黄金の「七つの知恵」とは
第三話 「幸運の女神」が微笑む人間とは
第四話 金貨の袋か、「知恵の言葉」が刻まれた粘土板か
第五話 自ら稼いだ資金の運用は、こうして決める
第六話 「強固な城壁」は、人々を恐怖や不安から守ってくれる
第七話 奴隷に成り下がっても、「人間としての誇り」を忘れなかった男
第八話 「バビロンの知恵」は現代にも通用するか
第九話 幸福ーそれは「労働の喜び」を知ること
おわりに 富が支えていたバビロンの繁栄(物語の舞台とその背景)
ポイント
黄金の「七つの知恵」
富を築くための七つの知恵として、物語の中で次のことが語られています。
第一の知恵 ー 財布を太らせることから始めよう
第二の知恵 ー 自分の欲求と必要経費とを混同すべからず
第三の知恵 ー 貯めた資金は寝かさずに増やすべし
第四の知恵 ー 損失という災難から貴重な財産を死守すべし
第五の知恵 ー 自分の住まいを持つことは、有益な投資と心得よ
第六の知恵 ー 将来の保証を確実にすべく、今から資金準備に取りかかるべし
第七の知恵 ー 明確な目標に向かって、自己の能力と技量を高め、
良く学び、自尊心を持って行動すべし
(第二話 富をもたらす黄金の「七つの知恵」とは p84)
第三話以降の物語はこの知恵に関連した内容になっています。
第一の知恵から順番に実践できると自然にお金が貯まっていくのも分かります。
何はともあれ、まずは貯蓄できるような状態に家計を持っていくことが第一です。
ちなみに、本書では収入の10分の1を貯蓄へ回そうと述べています。
他のお金の本でも割合が違っても収入の何割かを貯蓄へ回しなさいと述べていることは多いので、時代問わず基本的なことなのでしょうね。
しかし、この知恵後半になるにつれ耳が痛い話になってきます。
特に、第七の知恵「明確な目標に向かって、自己の能力と技量を高め、 良く学び、自尊心を持って行動すべし」は普段からそんな強い意志を持って行動できているか心に刺さりました。
幸福ーそれは「労働の喜び」を知ること
本書の物語の中で、私が一番興味深く読めたのは第九話の「幸福ーそれは「労働の喜び」を知ること」です。
物語の主人公が、奴隷から自由人になるまでの物語になるのですが、その中で労働に対しての向き合い方が語られています。
上手く怠けて楽するのがいいのか、懸命に働くのが良いのか、主人公が昔の奴隷仲間を見て悩み答えを考えるさまが印象的です。
この物語のなかでは、労働を人生の数ある楽しみの一つとして答えを出しています。
私は、そこまで達観出来てはいないですが、そうなるように働くことと付き合っていけると人生楽しいのかなと思いました。
感想
古代と現代の違いはあるかもしれませんが、今でも参考になる格言がちりばめられた一冊になっています。
物語も富に対して苦悩する主人公の成功ストーリーとなっていて、読んでいて気持ちのよいものになっています。
物語にすることで、語られている富の成功法則について腹落ちしやすくなっています。
読んだことない方は、ぜひ一度読んでみると楽しめる一冊だと思います
ご一読ありがとうございます。