概要
タイトル:調べる技術 書く技術
著者 :佐藤優
人生の充実度を高めるために、知的生産を行うことは非常に有意義です。
知的生産は限られた人だけが行うものではなく、マニュアル業務と分類されているものの中にでも知的生産といえる部分があると述べています。
本書では、知的生産を実行していく上で重要な技術について著者のおすすめするツールも踏まえて実践法を知ることができます。
本書は、情報が氾濫する現代において、それらの情報から正しい情報を調べ、書くことや伝えることなど、広い意味でのアウトプットにつなげるための方法、つまり「知的生産術」を解くものだ。
(中略)
知的生産の技法を磨き、さらには人間関係構築力ー俗にいう「コミュニケーション能力」を高める。そうすることで、読者が人生そのものの充実度を高めていくというのが、本書の最終目的である。
(第1章 p16-20)
構成
はじめに
第1章 情報過多な時代の調べる技術、書く技術
第2章 【インプット】情報を「読む力」を高める
第3章 【アウトプット】読んだ知識を表現につなげるスキル
第4章 調べる技術、書く技術の「インフラ整備」のすすめ
おわりに
ポイント
知的生産と知的再編
年齢を重ねて気力・体力・頭脳の変化を意識して、知的生産をしていくために人生を2段階に分けています。
・インプットを磨き、手持ちのカードを増やしていく「知的生産」の段階
・「知的生産」段階で増やしたカードを組み替えて活かす「知的再編」の段階
体力、気力が充実している若いうちに十分なインプットをしておいて、人生後半のアウトプットに活かせるようにしていることをすすめています。
アウトプットと言っても、国の成長率から毎年2%でも付加価値をつけれれば立派だとも述べています。
2%だったらなんとかなるかも(?)しれないので、意識して頑張ってみたいですね。
また、これまでの持ち札で何ができるかというのも見つめ直してみると新たな発見があるかもしれません。
山崎元さんのキャリア論と似ているところもあって興味深く感じました。
基礎教養おすすめ本
情報を調べる際、インプットには下記2種類あります。
①理解力の土台を作るためのインプット
→基礎知識・教養を身につけるためのインプット
②具体的なアウトプットのために行うインプット
→目的意識を持って行うインプット
②については、常々何かを調べる時には常々行っていると思います。
①は、高校の教科書レベルの知識・教養と、自分の仕事に関する知識と述べています。
世の中には、基礎的知識・教養がないとそもそも理解できない情報がたくさんあり、知識・教養の有無で理解のレベルやスピードが大きく変わってきます。
本書では、基礎知識・教養を身につけるためのおすすめ本が何冊も紹介されています。
全体理解という理由で、世界史や日本史についてはBよりAを進めているのには興味深かったです。
自分のキャパシティの把握
知的生産力を高めるためには、自分にとって良い環境を整備することも大切になります。
時間的な環境を整備するために
・制限時間内にできる自分の仕事量を把握する
・プライベートな空間を買う
といった点は特に参考になりました。
まずは、時間管理からです。
仕事量の計測→仕事の計画→管理
といった時間を管理することが自分が潰れずに知的生産力を上げ、人生の充実度を上げていくことにつながると述べています。
時間の確保は私も大切だと感じています。
いっぱいいっぱいになってしまうと、精神的にも追い詰めれられていましますし、確実に能率は落ちていきます。
やみくもにやっていても良い方向にはいかないので、まずは自分の能力の把握からやってみることをおすすめします。
感想
本書は充実した人生をおくるために、知的生産力を高めましょうと薦めてています。
知的生産力を高めることは、人生の大きい部分を占めている仕事を「楽しく」「能率的に」「成果を出す」、そして充実したプライベート時間を確保する助けになると述べています。
全てが理想的にとはいきませんが、本書のアドバイスは自分の知識を増やしたり、活用していくために役立つものが揃っていると感じました。
日常生活から取り入れていけることも多いので、身近なところから新しく知識を取り入れる手段や方法を探している方やそれをアウトプットしてみたい方におすすめの一冊だと思います。
ご一読ありがとうございます。