概要
タイトル:部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです
若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す
著者 :伊藤誠一郎
若手社員との間に感じる溝、もしかしたらこちらからのアプローチの仕方が合っていないだけかも知れません。
フォローを入れているつもりでも、言われた方を困惑させているだけの場合もあります。
本書では、受け取り側の気持ちに立って必要なフォローの仕方をアドバイスしています。
本書の目的は、最近の若手社員のことを理解し、最終的には、若手社員と上司や先輩そうとの間にある溝を埋め、職場にとって貴重な若い力が伸びる環境をつくることにあります。
まず、良いとか悪いとか、個人の主義や主張による議論ではなく、単に時代が変わったのだということを年長者がいかに自然に受け入れ、順応できるかがポイントとなります。
(中略)
ぜひ1人でも多くの方に、「これまで」の今となっては「やってはいけない」対応に気づき、最近の若手社員を伸ばす「これから」の対応方法を身につけていただくことで、貴重な若い力を職場の大事な戦力として仕事の成果に結びつけていただきたいと思います。
(はじめに p5−7)
構成
はじめに
第1章 上司が知っておくべき「若手社員のリアル」
第2章 若手部下への「やっていはいけない」NG行動
第3章 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す
第4章 若手社員は一緒に並走しながら伸ばす
おわりに
ポイント
入社後いきなり若手が転職の質問をしても、うろたえてはならない
新入社員がいきなり、堂々と転職について聞いてきてきてもうろたえてはいけません。
単なる情報収集の一環なので、変に解釈せず淡々と対応しましょう。
有益な情報を得たいというポジティブな欲求からきていると考えられれば、否定的な感情にならずにもいられます。
説明して、教える
業務など、物事を伝える際に2つのステップをアドバイスしています。
2つのステップとして
・説明する:仕事で求められている水準、仕事のあるべき完成のイメージ
→落ち着いて感情をフラットに「説明」する
・教える:完成イメージとの差を一つひとつ丁寧に教える
→「調べ方」「聞き方」など自発的に行動できる方法を教える
「説明する」「教える」ために以下の7つのルールを提示しています。
・至らない点を冷静に説明する
・その仕事の完成イメージを具体的に示す
・何がどれくらい足りないかをはっきり伝える
・それによってどのような悪影響が生じるかを伝える
・具体的に誰にどれほどの弊害が生じるのかを伝える
・上司、先輩として知識と経験を活かして教える
・至らなかった原因を分析する
次、自発的に動けるところまで教えるところまで丁寧にすることで成長にもつながるはずです。
「困ったら何でも言ってね」はNGフレーズ
よく言いがちなフレーズですが、言われた若手側は「いつ」「何でも」の判断に戸惑っているかも知れません。
「困ったら何でも言ってね」は、言わないのは難しいので言ってもこちらから聞きにいく意識は持っていた方がいいです。
待っていても始まりませんから、こちらから積極的に動いてコミュニケーションをとっていきましょう。
感想
自分が良かれと思っているアクションが、受け取りて側からするとイマイチだったりすることは往々にあります。
ポイントは、「深読みせず」「こちらから」「丁寧に」だと感じました。
スッキリとした気持ちの良いコミュニケーションを取れるように心がければ、きっと良い関係構築につながっていくはずです。
若手との接し方に悩んでいる方、教える、伝える方法に興味ある方にとっておすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。