概要
タイトル:ビジネスエリートになるための教養としての投資
著者:奥野一成
農林中金バリューインベストメンツ株式会社CIOの著者が自らの投資哲学を述べるとともに、投資家目線をもって働くことの大切さを語っています。
投資の考え方にも参考になりますが、働き方についても見直しを行える本になっています。
今回の中心テーマは、投資をすることがビジネスパーソンとしていかに大事であるかということです。
(中略)
投資は知の総合格闘技です。投資で成功するには、ビジネスに必要な知識を総合的に高めていくしかありません。そうすると自分の資産を大きく殖やすことも出来るはずですし、結果的にビジネスで成功することも出来るでしょう。
(はじめに p6,10)
構成
はじめに
第1時限目 投資家の思想が人生を成功に導く
第2時限目 私の投資家人生
第3時限目 日本人はなぜ投資が苦手なのか?
第4時限目 「投資」と「投機」は違う
第5時限目 売らない株を買えばいい
第6時限目 資産形成で失敗しないために
おわりに
ポイント
労働者2.0
投資家目線をもって働くことを本書では、労働者2.0と述べています。
・労働者1.0:他人に働かせている
・労働者2.0:自分で働いている
投資家的視点を持って労働者1.0から労働者2.0になることで、自分自身、働いている会社への投資を考えて主体性をもって働くことが出来るようになります。
そこから築いたスキルや人脈を活用していくことが「会社が倒産する」「リストラ対象にされる」などの危機的状況への対応力を付けてくれます。
時間・お金・能力の配分
投資とは何か?
「時間」「お金」「能力」のリソースを交換することと本書では述べています。
・時間や能力を使ってお金を稼ぐ
(例:会社で働く)
・お金や能力を使って時間を確保する
(例:タクシーを使う、仕事を早く終わらせる)
・時間やお金を使って能力を身に着ける
(例:自分で学校に通う)
足りないリソースを持っているリソースと交換することで補ったり、高めていくことが豊かな人生につながっていくはずです。
有能の境界線
どんなことに自分のリソースを配分する必要があるのか?
その考え方として、著者は「自分・他人の軸」「将来・過去の軸」の「有用の境界線」で4つに分けて行動を考えています。
・自分の将来:コントロール可 →自分の資源を集中投下
・自分の過去:コントロール不可→どうにもできない
・他人の将来:コントロール不可→どうにもできない
・他人の過去:コントロール不可→どうにもできない
この4つを意識するだけで、自分にはどうしようもないことにとらわれずにいられるようになります。
自分ができることに集中することが、精神的な安定にもつながりますし実際に自分を伸ばすのにも役立つと思います。
感想
働き方への向き合い方について、投資家としての目線から見た考え方が知れる面白い本です。
働き方についてばかり取り上げてしまいましたが、投資する上での良い企業については、「付加価値の高い産業」「長期的な潮流」「圧倒的な競争優位性」を上げており、そこの見定め方についても興味深いです。
また、株式会社のオーナーになるってどんなことといった点について方ているところは読んていて楽しかったです。
株式投資について、労働についていつもと違った視点で考えたい方にはお勧めの一冊になると思います。
ご一読ありがとうございます。