こゆのときどき日記

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「なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?」を読んで

概要

タイトル:なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?

著者:岡崎大輔

 本書では、作品の背景を手掛かりにしない鑑賞法のビジネスに通じる考え方を紹介しています。

 実際に研修を行っている著者が美術鑑賞のきっかけとして鑑賞手法の一つとして参考になる本です。

 

  本書でご紹介する美術鑑賞法の最大の特徴は、美術の専門知識を必ずしも必要としないことです。

 私が所属している京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センターでは、アート作品の鑑賞を用いた研修を行っており、はじめは作品名や作者名、制作された年代といった作品情報なしの状態で、鑑賞を行います。

(はじめに p2/2)

構成

はじめに 世界のエリートがやっている人生と仕事が劇的に変わる美術鑑賞法

序章   なぜ、美術鑑賞が仕事に役立つのか?

第1章  「作品の情報」に頼らずに鑑賞する

第2章  じつは、私たちは「アート作品」

第3章  「アート作品」は「事実」と「解釈」を分けて鑑賞する

第4章  「3つの問い」と「4つのプロセス」で鑑賞を深める

第5章  【実践編】アート作品を鑑賞するときの8つの視点

終章   なぜ、新しい時代に「アート」が重要なのか?

おわりに

ポイント

 本書で紹介している鑑賞方法は、事前知識のない状態での鑑賞です。

 「対話鑑賞」という手法で、作品のありのままをとらえることが大切だと述べています。

 そして、作品を鑑賞して感じだ事実から得た自分の解釈を導き出すことが作品との対話ととらえています。

 鑑賞するプロセスとして以下の4つの点が重要です。

 見る・・・意識をもって隅々まで見る

 考える・・作品を見て自分が思ったことの根拠について作品から見つけ出す

 話す・・・作品を見て湧き上がる考え、感情、疑問などを言葉に置き換えて伝える

 聞く・・・ほかの人の意見を聞く

こうした鑑賞のプロセスを経ることで、アート作品から学びを得ることができると述べています。

 

 感想

 アートから学びを得るという鑑賞法として参考になりました。

 私は、結構注釈とかもよく見ているので、今後の鑑賞法の一つとして注釈を読む前に一呼吸おいて作品と向き合ってみるのもいいのかと思いました。

 本書は「エリート」とありますが、誰でもやってみて鑑賞の幅を広げるのに参考になります。

 本書の中には、実際の絵画を用いて鑑賞法のお試しのようなこともできるので、鑑賞の準備運動にもなると思います。

 気になる方は、一度作品と対話する鑑賞法を試してみてはいかがでしょうか。

 

  ご一読ありがとうございます。

 

www.kyoto-art.ac.jp

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