概要
タイトル:知ってはいけない金持ち悪の法則
著者:大村大次郎
元国税調査官の筆者がお金持ちの節税や補助金スキームにについて述べられています。
法的には問題はありませんが、倫理的には「悪」として厳しく指摘しています。
誤解を恐れずに言うと、金持ちの99%は何らかの「悪事」を働いている。それは、少しばかり「性格が悪い」というようなライトな悪ではない。その実情を知れば、誰しもが激しい嫌悪感を抱くような、かなり「本格的な悪」である。
(中略)
富裕層は政治に働きかけて、さまざまな形で規制をつくり、競争相手を潰したり、自分たちだけに恩恵のある税制や補助金などを獲得したりしてきた。また、税金に関しては驚くほど神経質で抜け目ない。彼らは政治家には献金をするが、税金は出し惜しむ。そして、ありとあらゆる手を使って、実際に税金から逃れている。
(はじめに p1~3)
構成
第一章 激増する億万長者の正体
第ニ章 不動産で儲けているのは誰だ!
第三章 開業医の子供はなぜ医者になるのか
第四章 キャリア官僚「悪の錬金術」
第五章 富裕層の必須条件「税金は払わない」
第六章 そしてお金持ちは世襲化する
第七章 悪の総本山「経団連」の深層
第八章 それでも庶民はお金持ちになれる
おわりに
読むきっかけ
最近税金とかお金関係に興味があるので、お金持ちではないので自分は使えそうにないが、知らない税金等の話があるかと思い手に取ってみました。
感想
いろいろな富裕層が行える節税などが語られているので勉強になりました。
特に農家の不動産投資(第二章)ついての節税はそんな制度があることは知らなかったので興味深かったです。
農家の場合、農地を自分の親族に相続させる場合は、「相続税猶予」という特典がある。つまり、後継者が農地を相続し、引き続き農業をする場合は、相続税がいったん免除されるのだ。そして、納税を猶予された後継者が20年以上農業を続けた場合、猶予された相続税は完全免除となる。
この制度を逆取れば、
「農地を相続して、とりあえず20年間農業を続ければ、相続税はゼロになる」
「そのあとは、農地をどうしようが自由」
ということである。
(第ニ章不動産で儲けているのは誰だ! p46)
世の中ルールには歪があって不公平だと思うこともありますが、知らないのと知っているのとでは見方だ変わってくるので面白いと思います。
ご一読ありがとうございます。