概要
タイトル:これだけはおさえておきたい仕事の教え方
著者 :関根雅泰
ある程度仕事をしていると、人へ教える機会も出てきます。
その際の心がけ、教え方のステップなど押さえておきたいポイントについて紹介しています。
教わる側が求めているものにも考慮した接し方をアドバイスしてくれます。
この本でお伝えしたかったことは、次の3つです。
本人が学ぶことを手助けする
教える際に大事なのは「伝えることよりも、伝わることを」です。いくらやってみて見せ、言って聞かせても、本人に残らなければ意味がありません。私たちができることは、本人が学ぶことを手助けするだけです。相手が学ばせやすいようにいろいろと工夫する。教え上手は、学ばせ上手なのです。
(中略)
自ら考え行動できる人を育てる
新人の多くは「正解を教えてもらえる」日本の学校教育の中で過ごしてきています。しかし、ビジネスの世界は違います。待っていていも答えは教えてもらえません。自ら考え行動することが求められます。だからこそ、彼ら自身が考えて行動できるような教え方が必要なのです。
教えることで学ぶ
多くの方が実感しているように、人に教えることで一番学ぶのは自分です。「教え」や「学び」に関して、絶対の正解はありません。こういう本を書いている私自身も、日々試行錯誤を繰り返しています。人に教えるという現場に携わっていることで、自分自身が学ばせてもらっているのです。お互い、人に教えるというこの機会を、自分自身が学び成長するチャンスとしましょう!
( p174-175)
構成
はじめに
第1章 人に教える前に、これだけは知っておく
第2章 口には出さないが、新人はこう思っている
第3章 教え上手は必ずやっている、効果を高める技術
第4章 教え方の王道をマスターする
第5章 相手のタイプによって教え方を変える
第6章 こんなシーンはこう教える ー業務別上手な教え方
巻末資料 新人のモチベーションを上げるフレーズ集
おわりに
謝辞
参考文献
ポイント
取り除く4つの要因
仕事を教える際に妨げとなる要因を4つあげています。
・忙しくて「バタバタ」している
→チームで対応する
・要領の悪さに「イライラ」していまう
→自分と同じ水準を求めない
・自信がなく態度が「あやふや」になっている
→部門の考えか、自分の所感かはっきりする、分かる人を教えるようにする。
・間違ったことを教えたときに認められない
→ちいさなプライドは捨てて、間違えたことを伝えるようにする
この4つが出来ていないと、教わる側からの信頼を失ってしまいます。
当たり前ですが、教える前にちょっとだけ意識して抜けないようにしたいですね。
基本のフレームワーク
教え方の手順として、3つのフェーズと4つのステップをあてはめて紹介しています。
フェーズ1:やらせる前
ステップ1:実演する(作業を分解して見せる)
ステップ2:説明する(目的、理由、位置づけ、内容、方法など)
⇒やる前に、やることを分かってもらう(確認+説明+確認でワンセット)
フェーズ2:やらせる時
ステップ3:実行させる(ゴールを合意する、途中で止めない)
⇒教えた内容ができるか確認する
フェーズ3:やらせた後
ステップ4:評価する(理由と共にほめる、改善点は指摘する)
⇒フィードバックして同じような判断が出来るようになってもらう。
実行する時だけでなく、実行前後のフォローもきちんとする必要性があります。
完璧に全部こなしていくのは難しいですが、しっかりフォローしていけば必ず成長につながっていきます。
感想
仕事を教える際の心得を見直せる一冊です。
やはり、人間相手のコミュニケーションなので丁寧に接することが第一だと思います。
そのためにも、本書での準備やフィードバックが大切です。
抜けがちになるところもあるので、時々読み返してしっかり教えられる態勢は整えておきたいです。
近々仕事を教える機会がある方や、上手く教えられていないのかなと疑問を持っている方にとってもおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。