概要
タイトル:「仕事を面白くしたい」ときときに読む本
みんながぶつかる“見えない壁“の乗り越え方
著者 :夏川賀央
本書では、人生の中の上手くいかない、自分の妨げになっていることを「壁」と表現しています。
「時間の壁」「心理の壁」などさまざまな壁に対して、その壁がどうやってできているのか、乗り越えるためにどういったことができるのかについてアドバイスしています。
本書は、「何かを実現したい」人のための本です。“何か”とは、あなたがそれをやって“楽しい”と思うことです。でも、その“何か”が何であるかは、私が関与する問題ではありません。関与したくても、実はできないのです。
でも“何か”をハッキリさせなくて、読む意味があるかといったら、あります。
ここで問いかけたいのは、“本質”です。つまり、あなたが望む“何か”や、そのために突破したい壁が、必ずしも手前にあるものとは限らない。
もっと別なところに壁が、立ちふさがっているのです。
(中略)
もちろん私がお伝えしたのは、そんな“見えない壁“をしっかりと見つけ、それをとっとと壊し、悠々と先へ進むための方法です。それによって、あなたの仕事は確実に「面白く」なるし、どんどん「面白く」なり続けます。
(プロローグ p11-16 )
構成
プロローグ 〜あなたの望みをいつも妨げる「見えない壁」の正体とは?
第1章 自分は何がやりたいんだろう?
ー「不満の壁」を超えたいあなたへ
第2章 このままじゃいけない!
ー「平凡の壁」を超えたいあなたへ
第3章 やりたいけど、なかなかできない・・・
ー「時間の壁」を超えたいあなたへ
第4章 わかってほしい!
ー「言葉の壁」を超えたいあなたへ
第5章 あの人との距離を縮めたい!
ー「心理の壁」を超えたいあなたへ
第6章 どうせ自分には・・・
ー「勇気の壁」を超えたいあなたへ
第7章 なぜ、こんなに運が悪いんだろう?
ー「機会の壁」を超えたいあなたへ
第8章 あなたにはできます!
ー「常識の壁」を超えたいあなたへ
ポイント
時間の壁
人生は、いつも時間が足りません。
足りない時間の中で、どうやって物事をこなしていくかを考えています。
まず、時間管理の中心に目的(やりたいこと)を持ってくるやり方を薦めています。
そして、目的を達成するために必要なことをやるために、環境や時間を動かしていければ時間と上手に付き合うことができます。
そのために、自分の「こうしたい」を掲げて、そこに至るまでのストーリーを作り上げることが必要だと述べています。
言葉の壁
人にわかって欲しい、でも伝わらない、物事を伝える上での「言葉の壁」が存在します。
前提条件として、言葉の解釈は相手に任せるしかないです。
その上で、自分の言葉を相手に伝えるためのコツを述べています。
相手に伝えるための前段階として、3つの大切なことがあります。
・伝えたい中身を自分自身がきちんと分かっているか
・誰に、何のために伝えたいのかはっきりさせる
・言葉と行動を一致させておく
話す前に一呼吸おいて、考えるだけでも違ってくると思います。
相手に自分の意思を伝える助けになるので意識したいです。
会社の中のこうしたいと自己愛
人が自分いとおしく思い、大切な存在だと思いたい心の働きを「自己愛」と呼んでいます。
会社の中に四つのこうしたいと、三つの自己愛があると述べています。
・あなた自身の「こうしたい」と、それにくっついている「自己愛」
・上司、部下、同僚の「こうしたい」と、それにくっついている「自己愛」
・会社組織としての「こうしたい」
・会社が顧客にしている人たちの「こうしたい」と、それにくっついている「自己愛」
本書では、自分の「こうしたい」に抵触しない限りは、できるだけ相手の「自己愛」を満たしてあげなさいとアドバイスしています。
また、自分の「こうしたい」を伝える際には、相手の「自己愛」を尊重することで受け入れられる余地が増えると述べています。
それぞれの「こうしたい」にくっついてくる「自己愛」が整理されていて参考になりました。理屈は大切ですが、同時に気持ちを慮るコミュニケーションもしたいですね。
感想
「仕事を面白くしたいとき」とありますが、本書の内容は人生の壁と言ってもいいかも知れません。
「不満の壁」→「平凡の壁」→「時間の壁」→「言葉の壁」→「心理の壁」→「勇気の壁」→「機会の壁」→「常識の壁」
と段階を追っているので、順に読み進めていくのがおすすめです。
私は、時間、言葉、心理の壁が特に印象に残りました。
人それぞれ、自分にあった章があると思います。
仕事で一歩先に行きたい方、日常の過ごし方に悩みのある方にもおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。