概要
タイトル:ストレスフリーの時間術
イライラ、ヘトヘトを元気いっぱいな状態に変える方法
著者 :リタ・エメット
桑名真弓 [訳]
時間術というと、いかに短時間で効率良く物事をやり遂げるかに注目しがちです。
しかし、いくら効率化しても忙しさは減らず、さらにこなす物事が多くなってしまいがちです。
本書では、本当にやりたいこと、休息を取らなければいけない時間など、人生にとって大切な時間を過ごすための時間術について述べています。
人生とは、
時間を管理することではない。
数ある時間術は、いかに“時間を管理“し、効率化を図って多くをこなすかという、いわば「量の時間術」(=時短術)である。しかし、その考え方では問題の根本を解決できない。時間術の真の目的は、自分が納得した時間の使い方をすること、時間を自分のものにすることにある。
時間管理術がストレスに与える影響、ストレスに対してコントロールできること、できないことを理解し、ストレス軽減に効果的な自分なりの「時間の使い方」を身につける、それが本書の目的である。
(カバーそで)
構成
まえがき
第1章 そのストレスをコントロールするときが来た
第2章 あなたの人生で本当に大事なものを探し出そう
第3章 完璧主義をやめよう
第4章 有意義でやりがいのある、現実的なゴールを目指そう
第5章 できるところから手離し、すべてすっきりさせよう
第6章 仕事をプライベートをはっきり分けよう
第7章 毎日、英気を養うようにしよう
第8章 さあ、全部まとめて考えよう
謝辞
ポイント
時間管理の本当の意味
どう時間を使うのか、なぜ時間を管理するのかとういことについて次のように述べています。
興味のないことに費やすよりもずっと多くの時間を、できるだけやりたいことに使うことだ。
(第2章 あなたの人生で本当に大事なものを探し出そう p48)
時間管理をする際に、漫然とそこにあるタスクを仕分けるだけになってしまいがちです。
その際、やりたいことをする時間を捻出するという目的を入れてみると時間の使いたかも変わってくると思います。
目の前の多くの仕事を早くこなすと、達成感はありますが何か足りない。そして、また次の仕事へと取り掛からなくてはいけない。そんな時に、自分の大切なことに時間を使う重要性を気づかせてくれる一文でした。
自分の好きなものを見つめ直し、人生を楽しむための時間を確保することが、仕事終わりの満足感、ストレスの低減につながると伝えています。
完璧主義をやめよう
完璧主義を求めていては、いつまで経っても終わることはないし、細かいところに神経を尖らせ過ぎてストレスを溜める原因にもなります。
完璧主義に陥らないための一例として、他人へのアドバイスについて、
「手助けに応じられることを伝えておいて相手が準備できるまで離れている」
という点は特に興味深かったです。
相手が問題に直面していて混乱している、受け入れられない状態で助言してもイライラさせてしまうだけになってしまいます。
こちらとしては、解決したいという完璧主義の欲求を抑えられず口を挟んでしまいがちですが、一旦相手が落ち着くまで待ちましょう。
私もやってしまいがちなので、助言したい側も落ち着いて対応すべき点だと感じました。
マルチタスク
複数のことを同時にこなすマルチタスクについても本書では、整理しています。
重要なことで、神経を集中させる必要がある時は、一つの仕事に焦点を合わせることを勧めています。
自分では、複数のことを同時にこなしている気になっているかもしれませんが、別のことに移るたびに集中力を欠き、進捗を思い出したりすることが大きな時間のロスになっています。
また、細かく分断された仕事では、うまく行った時特有の満足感を得られず、ストレスやプレッシャーを感じやすくなってしまいます。
この一方、全神経を集中する必要のないことについては、賢いマルチタスクとしておおいに勧めています。
ついついあれもこれも同時にやりがちになってしまいがちです。
集中して一つのことに取り組むためにも、そうではない仕事と切り分けて上手く配分すると、効率だけでなくストレス改善にもなりそうです。
感想
何のために、時間を効率的に使うのか考えさせられました。
自分の好きなこと、有意義なことをする時間を作り出すことために時間術を有効に使うためのはずが、次々に新しい仕事をこなすだけになってしまう。
本来自分を助けるための時間術が、いつの間にか首を絞めてしまっていることにも気付かされます。
それは、時間術をやってもストレス溜まってしまうはずです。
時間術で空けた、自分の時間を大切に使いたいと感じました。
時間を有効に使いたい方だけでなく、にとってもにおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。