こゆの読書と美術の備忘録

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【読書】この一冊で全部わかる ビジネスモデル 基本・成功パターン・作り方が一気に学べる

概要

タイトル:この一冊で全部わかる

     ビジネスモデル 基本・成功パターン・作り方が一気に学べる

著者  :根来龍之

     富樫佳織

     八代訓史

 世の中にある様々なビジネスモデルについて、実践している企業を取り上げて、具体的に解説しています。

 各企業のビジネスモデルの解説だけでなく、ビジネスモデルをどう作るのかというやり方にまで触れています。

 本書の構成は、次の3部構成となっています。

第1部 ビジネスモデルとは

第2部 ビジネスモデル大図鑑

第3部 ビジネスモデルの作り方

 第1部「ビジネスモデルとは」では、その名の通り、ビジネスモデルという概念についやデザインの基礎的な考え方、およびビジネスモデルの成り立ちを1つずつ丁寧に解説していきます。

(中略)

 第2部「ビジネスモデル大図鑑」では、第1部で開設したビジネスモデルの基本的な考え方をもとにし、ビジネスモデルのパターンを63に分類し、事例を付したうえで、図鑑的にまとめました。

(中略)

 第3部「ビジネスモデルの作り方」では、既存のビジネスモデルを革新する方法や、新規のビジネスモデルを創造する方法について、実際の企業内において集団で検討するプロセスを想定して具体的に詳しく解説しています。

 

 本書全体を通読していただくことで、ビジネスモデルの基本から、成功パターンの成り立ちや強み、そして新たなビジネスモデルを作る方法までを一気に学ぶことができます。

(はじめに p3-4)

構成

はじめに

第1部  ビジネスモデルとは

第2部  ビジネスモデル大図鑑

第3部  ビジネスモデルの作り方

第4部  オペレーションモデル

第5部  収益モデル

第6部  コンテキスト

あとがき

ポイント

戦略モデルキャンバス

 ビジネスモデルをデザインする際に用いるフレームワークを「戦略モデルキャンバス」と読んでいます。

 戦略モデルキャンバスは、以下のような要素から構成されています。

・戦略モデル     :顧客、製品のターゲット

            →やりたいこと

・オペレーションモデル:自社の資源や活動と他社の資源や活動

            →相対的な状況判断

・収益モデル     :収益の獲得方法とコストの構造

            →利益を確保するための手段があるのか

・コンテキスト    :ビジネスモデルが成立する妥当性・正当性

            →ビジネスを成立させる仮説

 このフレームワークを多様な会社のビジネスモデルを考え考察していっています。

 本書では、図として各要素が表現されているので、区分けについても分かりやすくなっています。

 私がなるほどと思ったのは、

コンテキストはビジネスの妥当性・正当性を確認するために明示すべきだが、実際に成立するかどうかは事業を進めなければ確認できない

という点です。

 当たり前ですが綺麗なモデルであっても成功するかどうかは、事業を展開しなければ分からないというのが語られているのは重要ですね。

www.sbbit.jp

ビジネスモデルを作ってみよう

 本書では、戦略モデルキャンバスからビジネスモデルを考えていく方法についても解説してしています。

 ビジネスモデルを作る目的として、以下をあげています。

・既存ビジネスの革新:持続的に収益を上げるビジネス構築

・新規ビジネスの創造:事業領域の拡大、スタートアップ

 ビジネスモデルをきちんと作っておくことで、事業の方向性を定めることが出来ます。

 そして、コンテキストを逐次確認することが、継続・撤退などの判断を適切に行うのに役立ってくるはずです。

 ビジネスモデルの作成の順序としては、以下の順序をお奨めしています。

①バリュープロポーション(戦略モデル)

②オペレーション(自社の資源や活動)

③他社のオペレーション(他社の資源や活動

④収益モデル

⑤コンテキスト

 こちらも、記入方法のアドバイスを記載しながら丁寧に説明されています。

 具体的な例としてキーエンスAirbnbをだして、それぞれのビジネスモデルの構築について解説しています。

 それぞれの顧客対象はキーエンスでは「ライン技術者や技術開発者」、Airbnbでは「旅行者、ホスト(家主)」というところから始めてビジネスモデルを作り上げていくのは読んでいて面白いです。

 感想

 世の中にあるさまざまなビジネスモデルについて、実践している会社をあげて解説しているので内容が分かりやすです。

 それぞれのビジネスモデルの利点・欠点も取りあげられていているので、その企業がどうして成功しているのかも知ることができます。

 本書の中にもありましたが、コンテキスト(仮説)がどれだけ合っているのかということはとても重要と感じました。

 コンテキストは実際にやってみないと分からないという点は、非常にもどかしく感じましたが現実ってそういうものですよねというところです。

 ビジネスモデルの学習、作成などやってみると企業内研修2〜3日分くらいのボリュームがありそうな本です。

 会社から言われてやるとあまり気は進まないかも知れませんが、自分で好きにやってみると楽しいかも知れません。

 ビジネスモデルに興味のある方は、読んでみると面白いと思います。

 ご一読ありがとうございます。