こゆのときどき日記

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「江戸式マーケ」を読んで

概要

タイトル:江戸式マーケ

著者:川上達也

 江戸時代のビジネスって実は進んでいた!?

 そんな面白い江戸時代のマーケティングの数々について紹介されています。

 今も続く老舗や教科書に出てくるような人物も出てくるので歴史的な観点からも読むことができます。 

  本書は、江戸時代の起業家たちのマーケティング戦略イノベーション・ビジネスモデルなどを、わかりやすく解説したものです。これらをまとめて「江戸式マーケ」と名づけました。

(はじめに p1)

構成

はじめに 江戸時代の日本は、世界に誇れる革新的なマーケティングで溢れていた

第1章  三井高利「三井越後屋」 ドラッカーも絶賛!マーケティングの元祖

第2章  蔦屋重三郎「耕書堂」 日本初!本格的コンテンツ・マーケティング

第3章  富山藩二代目藩主前田正甫&越中富山の薬売り

     200年以上続く「顧客信用ビジネス」を確立

第4章  大丸 下村彦左衛正啓 京・大阪発の「ビジョーナルカンパニー」

第5章  木材商・河村瑞賢 江戸の「ソーシャルビジネス」とは?

第6章  豊島屋十右衛門「豊島屋酒店」 「減価販売ビジネス」で大繁盛店に!

第7章  二代目西川勘五郎「西川家山形屋」 「デザイン経営」でV字回復!

第8章  山本山 五代目山本喜衛門 お茶の「産地ブランディング」 

第9章  にんべん 六代目髙津伊兵衛 「前払いビジネス」の先駆け

第10章 紀伊國屋文左衛門 「ストーリーブランディング」で江戸一の豪商に

第11章 佐賀藩 第十代藩主 鍋島直正 徹底した「組織改革」でどん底から最強藩へ

第12章 伊能忠敬 歴史に残る「シニア起業」のロールモデル

おわりに

参考文献

プロフィール

ポイント

 江戸時代のマーケティングを紹介しています。

 第1章の三井高利「三井越後屋」の事業では

・「番傘の無料貸し出し」    →傘の絵柄に越後屋のマークを入れて宣伝

・「屋敷売りから店前売りへ変更」→客が必要な時に商品を見比べて買える

と当時画期的な三井越後屋の商売の手法について述べられています。

 

  第12章の伊能忠敬では、「シニア起業のロールモデル」として紹介されています。

 大切なこととして

1 年下メンター戦略→年齢の上下に関係なく最適の師を見つける

大義名分戦略  →大義を訴えて周りの支持を得る

3 損して得取れ戦略→持ち出しであってもまず成果を見せる

といったことを述べています。

 また、日本地図を作製した伊能忠敬の歩みも知れるのでその点も面白いです。

 当時の日本の天文学者の関心ごとが「地球の大きさ」であってそのための手段として測量が必要であったことは知らなかったので勉強になりました。

 感想

 江戸時代のマーケティングを紹介しながら、なぜそういったことをしたのかということも述べられています。

 ブランディングや売買方法についての紹介が多く、江戸時代の商売発展の鍵はその辺りに鍵があったのかと感じました。

  マーケティング×歴史と面白い組み合わせについて楽しめる一冊です。

 江戸時代好きの方は是非読んでみてください。

  ご一読ありがとうございます。

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