こゆの読書と美術の備忘録

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「会計の地図」を読んで

概要

タイトル:会計の地図

著者  :近藤哲朗/沖山誠

監修  :岩谷誠治(公認会計士

 会計で使用する要素をすべて含んだすべての図を「会計の地図」として、様々な形をとる会計について分かりやすく解説しています。

 頭に入りやすいよう図からの導入されているので、初心者にも入りやすい内容となっています。

 本書は、たった1つの図法を使って会計の全体像をつかもう、という本である。僕はこれを「会計の地図」と名付けた。会計に詳しい人には怒られてしまうかもしれないが、一生、会計について知らなかったかもしれない、かつての僕のような人にとっては、そのくらいのシンプルさがちょうどいい。

(はじめに p13)

構成

はじめに

パート1 自分は会社にどう貢献しているか?

 ①売上   「何人がいくら支払ったのか」の合計

 ②費用   「売上0でもかかるお金」

 ③利益   「売上」から「費用」を引いたもの

 ④PL    「誰に分配し、利益がいくら残るのか」が分かる書類

 ⑤資産   「何を使って価値を生むか?」の答え

 ⑥負債   うまく活用して会社を成長させるお金

 ⑦純資産  「たまった利益をどう使うか」を考える株主のためのお金

 ⑧BS    これまでの歴史が詰まった「会社の性格」がわかる書類

 ⑨現金   何にでも姿を変えられる最強の資産

 ⑩CF    現金の使い道がすべてわかる書類

 ⑪財務3表 「利益」と「現金」でつながっている3つの書類

パート2 会社は社会から何を求められているか?

 ⑫時価総額 世の中の人々の期待を合わせたもの

 ⑬のれん  会社の創意工夫や努力で生まれる価値そのもの

 ⑭PBR   「のれんをつくりだす力」を示す指標

 ⑮ROE   「どれだけ稼げるか」を総合的に示す指標

パート3 自分は、社会に何ができるのか?

おわりに

ポイント

9つの流れで説明する「会社のお金」

 各会計の要素を

・売上→費用→利益→PL(損益計算書

・資産→負債→純資産→BS(貸借対照表

・現金→CF(キャッシュフロー

の順で「会計の地図」の図を使用して説明しています。

 「会計の地図」でお金や資産の流れが分かるので、自分の会社での仕事がどこと関わっているか考えながら読むと面白いです。

 ・現金から製品やサービスの資産をつくりだすのか

 ・つくりだした製品やサービスを売って売り上げをあげるのか

 自分の関係あるところから見てみるとより理解しやすいかと思います。

5つの流れで説明する「会社の価値」

 会社の社会からの評価を得るながれを

①顧客に価値を届ける

②ブランド力や信用がたまる

③第三者に株式を発行する

④銀行と株主にとっての価値

⑤”のれん”が時価総額を押し上げる

としています。

 会社の運営していく中で信用がたまって社会での評価があがる。

 逆に上手くいかないと企業価値が下がる。

 会社の信用や期待が会計上の”のれん”という形になっているというとこが、良くわかる内容になっています。

日本の会社は「過小評価」されている

 本書では、日本企業のPBRが低いことから、本来持っている純資産よりも市場から評価されていないとしています。

 その理由として、”のれん”を産み出す創造性が足りていないと予測しています。

 EGS、DX、SXなどの時代の変化に対応することがカギになると述べています。

 変化に対応するフレームワークとして

・定説をとらえる→逆説を生み出す→逆説を組み合わせる

といった流れを考案していきます。

 例として自動車メーカーTESLAの排出権取引で利益を得るビジネスモデルを紹介しています。

 確かに、日本企業に対する期待感はもっとあがって欲しいですね。

 右肩上がりの日本企業がどんどん増えていって欲しいです。

 感想

 「会計の地図」をパズルのように組み合わせることで、会計の各項目を理解できます。

 特に会計っていろんな言葉があって覚えづらいなという人の入り口として特に分かりやすいと思いました。

 自分の仕事の立ち位置と照らし合わせながら読むと、会計と仕事とのつながりが感じられるので面白く読み進めていけます。

 ご一読ありがとうございます。

 

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