概要
タイトル:「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
著者 :日野瑛太郎
イラスト:深川直美
会社から酷使されてつぶされないように、社畜にならないために、当たり前ですが働いていると忘れがちなことを思い出させてくれる本です。
社畜の生まれ方、社畜のタイプなども述べているので、自分がどのタイプになってしまっているか面白くとも恐怖も感じながら読み進めていくことができます。
この本では、「やりがい」のために働くことが一番大事で、そのためであれば他のものを犠牲にしても構わない、という従来の働き方とはまた別の選択肢を提案したいと考えています。
(中略)
人生で何を優先するかを決められるのは、自分だけです。
仕事の「やりがい」よりも優先したいことがるなら、それを優先できるような働き方を考える自由は、誰にでもあります。
この本で、1人でも多くの人が仕事の「やりがい」という呪縛から解き放たれることを祈っています。
(はじめに p5-6)
構成
はじめに
第1章 あ、今日は用事があるんで定時に失礼します。
―ここがヘンだよ、日本の働き方
第2章 いえ、それは僕の仕事じゃないんで。
第3章 はい、将来の夢は毎日ゴロゴロ寝て暮らすことです!
第4章 えー、「従業員目線」で考えますと・・・
―脱社畜のための8カ条
おわりに
ポイント
社畜の分類学
本書では、社畜を以下のように定義しています。
「会社と自分を切り離して考えることができない会社員」
そして、社畜のタイプと抜け出すための処方箋を示しています。
・奴隷型 :会社から奴隷のような働き方を強要されている(違法)
→しかたないとあきらめず、法律をよく確認しましょう
・ハチ公型:会社への忠誠心が高い社畜(会社への思いは片思い)
→「会社」を抜きにした自分の人生を考えてみましょう
→しがみつく対象が潰れてしまう可能性もあります
最悪の際の退路も確保しておきましょう
・腰巾着型:社内のポジション確保に全力をそそぐ社畜
→しがみつく対象が潰れてしまう可能性もあります
社外での自分の人材価値を高める方向に時間を投資してはどうでしょう
→他人に対して寛容になりましょう
他人に社畜を強要すると自分の首も絞めてしまいます
自分のタイプと職場のタイプを考えてみるのは面白いかもしれません。
ゾンビ型以外は本人が良いと思っていればいいのかなという気もしますが、心や体を病んでしまうこともあります。
そうなる前にちょっとだけでも本書に描かれている対処法に目を通して外からの視点で考えることをお勧めします。
小学校の段階から社畜教育は始まっている
社畜への教育は、小学生の頃から始まっていると述べています。
・将来の夢=将来なりたい職業
→仕事を通じて夢を実現する
・仕事に対して「お金を稼ぐ」以外の価値観を強調される
→働くことはお金のためではない
・学校では労働者が身を守るための知識は教えない
→労働者の権利を主張できない人間を量産する
確かに、こんな教育を受けていたら社畜にもなってしまうと思ってしまいました。
特に労働に関しての法律などは全く教えてもらった覚えはありませんし、お金よりも大切なことをやたらと強調された記憶もあります。
お金よりも大切なことは確かにありますが、仕事にしぼって語られるのはきついですね。
感想
やる気をもって仕事をする、凄い良いことだと思っています。
しかし、社畜になって心や体を壊すことはないはずです。
そのためにも「あ、「やりがい」とかいらなんで、とりあえず残業代ください。」
と言えるようになっておきたいです。
イラストも相まって、軽快にも読んでいける一冊なので仕事でお疲れの方は読んでくみてください。
ご一読ありがとうございます。