こゆのときどき日記

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「世界「倒産」図鑑」を読んで

概要

タイトル:世界「倒産」図鑑

 著者:荒木博之

 過去に倒産した会社について、その会社の栄枯盛衰の歴史とともに何故倒産してしまったか述べられています。

 倒産のパターンを「戦略に問題があったケース」「マネジメントに問題があったケース」に区分しており焦点がわかりやすくなっています。

 

 ビジネススクールの現場においては、ケースという実際の企業事例を活用しながら、学びを深めていくのですが、使用される事例は国内外問わずどのビジネススクールにおいても、一般的には成功事例の方が圧倒的に多くなります。成功事例というのはハッピーな話なので、関係者はみんな語りたがり、その結果ケースになりやすい。

 しかし失敗事例はその逆で、責任問題やステークスホルダーと関係などがあり、語りづらいことばかりで、ケースにはなりにくい、というのがその背景です。

(中略)

 取り上げた企業は25社。私たちにとって親しみやすい企業を中心に、時代や業界、地域にもできるだけ多様性が出るように選定しています。

(中略)

 この書籍では、それぞれ倒産した事例について「どういう企業だったのか」「なぜとうさんしたのか」「どこで間違えたのか」「私たちは何を学ぶべきなのか」といった項目に分けて考察を深めています。先ほどご説明した通り、本書の大事なポイントは、「この事例から私たちは何を学ぶべきなのか」ということ。このような失敗事例を、先人たちから私たちへのメッセージと捉え、今日を生きる私たちの意味合いをまとめています。

 

(はじめに p2~5)

構成

はじめに

倒産とはなにか

戦略上の問題編

 「過去の亡霊」型

 「脆弱シナリオ」型

マネジメントの問題編

 「焦りからの逸脱」型

 「大雑把」型

 「機能不全」型

おわりに

 読むきっかけ

 様々な会社の栄枯盛衰の物語を読んでみたくて手に取りました。

 最近は企業の話をしているyoutube動画とかもありますし興味をそそられました。

 各企業ごとのタイトルも印象的でポイントがイメージしやすかったです。

戦略上の問題 編

「過去の亡霊」型

001 そごう 「勝利の方程式」が逆回転して倒産

002 ポラロイド 「分析体質」が行き過ぎて倒産

003 MGローバー 非効率体質を改善できずに倒産

004 ゼネラルモーターズ 政府頼みの末に倒産

005 ブロックバスター 重要なタイミングを逃して倒産

006 コダック 希望的観測を抑え込めず倒産

007 トイザラス 新規事業の入り方を間違えて倒産

008 ウェスチングハウス 技術を過信して倒産

「脆弱シナリオ」型

009 鈴木商店 事業意欲が先行し過ぎて倒産

010 ベアリングス銀行 不正取引にとどめを刺されて倒産

011 エンロン 「不正のトライアングル」に陥り倒産

012 ワールドコム 自転車操業の果てに倒産

013 三光汽船 ギャンブルに勝ち続けられず倒産

014 エルピーダメモリ 「業界の椅子取りゲーム」に負けて倒産

マネジメントの問題 編

「焦りからの逸脱」型

015 山一証券 プロセスを軽視し過ぎて倒産

016 北海道拓殖銀行 焦りに追い立てられて倒産

017 千代田生命保険 見たいものしか見ずに倒産

018 リーマン・ブラザーズ リスクの正体をつかめず倒産

「大雑把」型

019 マイカル 風呂敷を畳み切れず倒産

020 NOVA 規律が効かな過ぎて倒産

021 林原 雑な経営管理により倒産

022 スカイマーク 攻め一辺倒が裏目で倒産

「機能不全」型

023 コンチネンタル航空 経営を単純化し過ぎて倒産

024 タカタ 経営者が現場を知らずに倒産

025 シアーズ 現場不在の経営により倒産

(はじめに p10~13)

 感想

 10ページほどで各25社の会社の創業から倒産までの流れ、倒産に至ったポイントを要点良く知ることが出来ます。

 有名な企業で倒産した際の大きな事件などは知っていたりしますが、そこに至るまでの流れについても述べられているので勉強になります。

 大きな事件が倒産の引き金にはなっているのですが、その前から倒産につながるような種について丁寧に解説されているので理解しやすかったです。

 どの企業も成功体験を持っていますが、その時に事業のリスクとどう向き合って行くのか難しいと思いました。

 各企業の解説の最後のページには「倒産に学ぶ3つのポイント」と「企業のライフチャート」が著者の可愛らしい絵とともに描かれており理解を助けてくれます。

 自分のいる企業や業界と見比べてると興味深く読めると思います。

 ご一読ありがとうございます。