こゆのときどき日記

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【読書】僕たちはガンダムのジムである

概要

タイトル:僕たちはガンダムのジムである

著者  :常見陽平

 大多数の人はガンダムでなく、量産機のジムである。

 そんな普通の人の社会での生きづらさ、なぜ自分をガンダムと勘違いしてしまうのか、ジムな私たちの人生戦略について述べています。

 多くのジム型人材に向けられた生き方の指南書になっています。

「君は生き延びることができるか」

 まさに本書では、この問いの答えを考える。「普通のサラリーマン」「量産型人材」に未来はあるのか?この問題を考える、なお、「ジム=社畜・周りに流される人」というわけではない。社会、会社の中のごく普通の人のことを指している。いや、はっきり言おう。かなりの確率であなたのことだ。

 

 本書は『機動戦士ガンダム』という作品を通して、僕たち普通のサラリーマンのこれからの生き方について考える、キャリア論の本である。

(はじめに p6-7)

構成

はじめに  

第1章  僕たちの「戦場」は今、どうなっているのか? 

第2章  僕たちはこうしてジムになる 

第3章  僕たちジムのための人生戦略 

おわりに 僕たちはガンダムのジムである

ポイント

僕たちがジムになる理由、ガンダムと勘違いしてしまう理由

 本書では、多くの人がジムになっていく要素を大きく3つあげています。

①学校

 →型にはめ込む詰込み型の勉強

②就活

 →企業の欲する人物像への合わせこみ、内定後の囲い込み

③会社

 →日本企業型の忠誠心を高めることを目的としたマネジメント

こうした過程を経て量産型のジム型人材が出来上がっていきます。

 世の中で働いていく中では、このやり方自体は特段悪いとは思わないですが、一つ大きな注意すべき点があります。

 それは、この過程での成功で自分はガンダムだと思い込んでしまうことです。

 確かに、学校・就職、内定・会社での活動の合格や表彰などは巧みにモチベーションを高める仕組みになっています。

 こうして、現実と自己認識の乖離が起こってしまうのはつらいです。

戦記を書いてみよう

 ジム型人材として社会で過ごしてきた私たちが生き抜くためにはいったい何が必要なのでしょうか。

 まずは、自分が何ができるかを知ることからだと思います。

 本書では、「戦記」という名の自己分析をおすすめしています。

 社会人としていくばくかの年月を過ごしてきて、就活のときとは違った実績に基づいた自己分析のやり直しができるはずです。

 やり方としては

・人生の10大ニュースを書き出し、振り返る

 特に重要なことは定期的に解釈をし直すことです。

 時間がたつことで、自分のなかでの意味合いが変わってきたり、その時は単なる失敗だったことが生きてくることがあるからです。

 就活などの自己分析と違うところは、振り返った時点で無理やり成功体験につなげたりしなくてもいいところです。

 失敗は失敗で、チャレンジしたことから学ぶべきことは多いと思います。

 一番身近な自分の体験を糧につながるようストックしておくという点でも有効だと思いました。

 そして、自分の経験から自分の資源、武器に気づけばジム・カスタムにはなれるかもしれません。

僕たちジムのための人生戦略

 普通の私たちが生き残っていくには戦略が必要です。

 特に、自分が戦う環境を選ぶ・作ることを強調しています。

 自分の戦記を振り返って見つけた武器が活かせるポジションで活躍しましょう。

 その際に、おすすめされているのは、会社で細く長く働いていて、周りから信頼されている人を研究してみることです。

 つい、派手で目立つ人にばかり目がいきがちですが、普通の人に大切なのはこちらのような気がします。

 自分のポジションを見つけて活躍する指針を見つけることができるかもしませんね。

感想

 ガンダムに絡めた一見変わった視点からのキャリア論は読んでいて面白かったです。

 テーマは、「君は生き残れるか」ですが、ぜひ普通な私たちも生き残っていけるよう頑張りたいですね。

 決してハイスペックでない私も、撃ち落されないポジション取りが出るジムになりたいものです。

 アニメのワンシーンの挿絵と著者の熱い思いがちょくちょく差し込まれていてそこも見どころの一つです。

 ガンダムに興味あって、ちょっと違った見た方の本を読んでみたい方、社会に出て自分の思いと現実のギャップに悩む方におすすめな一冊だと思います。

 ご一読ありがとうございます。