こゆのときどき日記

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【読書】ニュータイプの時代

概要

タイトル:ニュータイプの時代

著者  :山口周

 これから重要視される思考・行動様式を「ニュータイプ」として提示しています。

 テクノロジーの進化や社会の変化の起点をとらえながら、「オールドタイプ」から「ニュータイプ」へのシフトについて考えています。

 20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくことになるでしょう。

 一方、このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=ニュータイプが、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

(中略)

 本書では、これらの旧態依然とした思考・行動様式を「オールドタイプ」として、一方、それに対置される新しい思考・行動様式を「ニュータイプ」として整理し、読者に提示します。

(はじめに p1-2)

構成

はじめに

第1章  人材をアップデートする6つのメガトレンド

     ニュータイプへのシフトを駆動する変化の構造

第2章  ニュータイプの価値創造

     ー 問題解決から課題設定へ

第3章  ニュータイプの競争戦略

     ー 「役に立つ」から「意味がある」へ

第4章  ニュータイプの思考法

     ー 論理偏重から理論+直感の最適ミックスへ

第5章  ニュータイプのワークスタイル

     ー ローモビリティからハイモビリティへ

第6章  ニュータイプのキャリア戦略

     ー 予定調和から偶有性へ

第7章  ニュータイプの学習力

     ー ストック型学習からフロー型学習へ

第8章  ニュータイプの組織マネジメント

     ー 権力型マネジメントから対話型マネジメントへ

おわりに

ポイント

思考・行動様式

 本書では思考・行動様式の違いをもって「オールドタイプ」と「ニュータイプ」としています。対比と合わせて私の感じたことは以下です。

オールドタイプ   ニュータイプ

・正解を探す →  ・問題を探す

・予測する  →  ・構想する

・計画し実行 →  ・とりあえず試す

・経験に頼る →  ・学習能力に頼る

⇒社会が豊かになって解消すべき問題が少なくなり、課題の設定や方向性を決められる能力。

 

オールドタイプ   ニュータイプ

・KPIで管理   →  ・意味を与える

・生産性向上 →  ・遊びを盛り込む

・ルールに従う→  ・自らの道徳に従う

・組織に留まる→  ・組織間を越境する

・奪う、独占 →  ・与え、共有

⇒変化の激しい仕事に対して、どのようにモチベーションを保つのか、対応していくのか。

モチベーションと意味

 人が発揮する能力は、モチベーションによって大きく変わります。

 モチベーションは「意味」によって動機付けされることによって高められます。

 現代は「モノ」が過剰、「意味」が希少な状態であり、ニュータイプは「意味」を重要視します。

 ニュータイプとの関わり合いとして、背景の「意味」を明確にして、タスクと目標を示すとをアドバイスしています。

 自分が仕事を考えるときの「意味」を考えるのも重要ですが、人と仕事をするうえでも相手にとっての「意味」も考えてできると良いですね。

 「意味」が有るか無いかの食い違いがあると、トラブルのもとになりますしね。

「寡占化」と「ニッチ」、キャリアの「バーベル戦略」

 現在進んでいる2つのトレンドとして、大企業による寡占化とスモールプレーヤーによるニッチな市場に2極化されていきます。

 ここで、寡占化される市場を「役に立つ」、ニッチな市場を「意味のある」点に注目しています。

 役に立つ方向性は、多くの人が共有でき、効率的に大量に提供できることが優位で勝者総取りができます。

 意味のある方向性は、情緒や自己実現の欲求を満たすものになり、多様な価値観へのアプローチがあります。

 この2つのトレンドですが、本書では安定した仕事をしながら、大化けしそうなことにも取り組んでおく「バーベル戦略」をおススメしています。

 例として、特許庁で働きながら科学論文を書き続けたアインシュタインをあげています。

 コツとしては、リスクのタイプが異なるものを選んで、一方が悪くなった時のリスクヘッジすることです。

 ニッチな市場に「意味」を感じられるものを投入する。

 ブルーオーシャン戦略などで、ニッチなところを狙うことは述べられていますが、役立つ以外のどんな意味を持たせるかについても考えることも重要だと感じました。

感想

 「ニュータイプ」と「オールドタイプ」の比較が書かれて、これから重要な能力について述べられています。

 対立させていくより+αとして捉えて、足りないところを見つけてるようにすると受け入れやすく読めます。

 現在の日本の社会だとニュータイプ的な能力の人材が足りていないので、シフトしていくと重宝されるのかと思うと同時に、オールドタイプのくくりにある能力もないがしろに出来ないものだと思います。

 世の中や組織にバランスよくいる状態が望ましいのかなとも感じました。

 モチベーションに関しては、「意味」を大事にして世代によって違うことは気をつけて接したりしないといけないですね。

 ニュータイプという言葉に引っ掛かりのある方、考え方に変化を与えたい方にはおすすめな一冊です。

 ご一読ありがとうございます。