概要
タイトル:仕事の研究
著者 :美濃部哲也
大企業やベンチャー企業、現場のプレーヤーからマネジメントまで様々な立場や環境で仕事をしてきた著者が、創造するという視点から仕事術の法則を述べています。
創造力を働かせて仕事をするための考え方や行動について、エピソードも交えて分かりやすくアドバイスされています。
本書では、仕事において何かを創造していく際に役立ちそうなことを50の法則に絞り、仕事術の法則としてまとめています。私自身がどのような局面でそのような思考や行動をしていたのか、という体験やエピソードを添えながら、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類して、50の法則を記しています。
仲間、パートナー、顧客、そして社会との質を高めながら、価値のある仕事をしていく。創意工夫をしながらクリエイティブな仕事をすることで、読者の皆様一人ひとりの自分らしい幸せな人生を創っていくための参考になれば、この上なく嬉しく思います。
(はじめに p007 )
構成
はじめに
序章 これからの仕事術
第1章 テクニカルスキル
第2章 ヒューマンスキル
第3章 コンセプチュアルスキル
おわりに
仕事術の事例
ポイント
ビジネスをクリエイティブにする11のプロセス
ビジネスをクリエイティブにする11の段階を次のように言語化しています。
自分の言葉にも変換してしまっていますが、以下のようなことが述べられています。
①一次情報による記憶の引き出しを頼る
②直感を頼る
③射止めたい対象一人を絞る
④対象とした一人のニーズを探る
⑤ニーズとマッチする製品・サービスの伸びしろを決める
⑥対象とした一人から、共感が生まれるポジショニングマップを作る
⑦、⑧ポジショニングマップからビジネスのコンセプトを決める
⑨ビジネスを進めるメンバーを決める
⑩ビジネスの完成度をあげる
⑪始めに考えた対象一人を確実に射貫くアウトプットをだす
大事なこととしては、
正確な一次情報を入手
→アイディアを具体的なところまで落とし込む
→アイディアを実現する環境を作り上げる
なのかなと感じました。
⑥のポジショニングマップは、二軸の逆の価値観から、アイディアの立ち位置を振り分けるのですが考えを整理できて活用できそうです。
強みの見つけ方
誰にもあるかもしれない「強み」
本書では、これまで取り組んできた行動に焦点を当てて、「何をしたのか」ではなく「どのようにやったのか」を振り返ることを薦めています。
動詞にフォーカスして、その動きが映える/重要とされることを一心不乱にしていくと、強みとして磨かれていくと述べています。
得意なこと、強みが分からない人については、自分の記憶にある心躍る瞬間にしていた行動を思い出すとそこにヒントが隠れています。
人生100年時代なので、いつからでも見つけても遅くないですし、仕事以外にも目を向けてみると色々発見できて面白そうです。
仮説と調査
新しいことを生み出すための基本として「仮説を検証する」ということは重要です。
ゴールとそこにたどり着くまでのシナリオを仮説立てて、検証することでアウトプットへの確度を高めていきます。
この時、”仮説→検証”が逆転して、”検証→仮説”、つまり仮説をつくるための調査になってしまっていないかに気をつけなくてはいけません。
結局、分かりきったことが確認されただけになってしまって、世の中に溢れかえっている他のものと変わりない結果しか得られなくなってしまいます。
「とりあえず調査しよう」とやってしまいがちですが、その前に仮説を入れることで、調査の求めていること、目的が明確になるので、予想どおりになる、ならないで結果への処置も有効に取れていきます。
感想
仕事、特にクリエイティブなことをするためのコツについて述べられています。
クリエイティブな視点に寄っているので、サービスなどの絞り込み方、突き詰め方の考え方が興味深いです。
強みの見つけ方などは、自分の行動を振り返ってみて何か見つけられたら面白いですし、強みかもと思った行動に積極的に関わっていくのも一つありなのかと思います。
クリエイティブな仕事に興味のある方、新規の仕事への取組みに関わっている方などにおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。