概要
タイトル:「日本がわかる経済学」
著者:飯田泰之(経済学者)
NHKのラジオビジネス塾という番組を書籍化したものです。
経済についての理論について1,2ページの短い単元に分けて分かりやすく説明しています。
以前に読んだ「思考をみがく経済学」の姉妹本です。
本書のテーマであるマクロ経済学は、一国、ときには世界の経済全体を対象とする経済学の分野です。
(中略)
私たちが生きていく上で知っておくべき、戦場の情報=自分たちは今、どんな場で戦おうとしているのか、を把握するのに役立つのが、マクロ経済学の知識です。
(はじめに p3-5)
構成
はじめに 「経済学を”実戦”に活かすために」
第1講 豊かさを表す数字を知ろう!
「GDP」「物価」「景気」
第2講 政策は幸福のためにある
「幸福の経済学」「経済政策」
第3講 成長はこうして生み出す!
「経済成長」「価格硬直性」
第4講 景気対策はどう効くか?
「財政政策」「金融政策」「資産価格」
第5講 分配システムはどうあるべき?
「効率と平等」「年金」
第6講 経済学で人を動かす!
「割引率」「アーキテクチャの力」
第7講 人口から日本の未来を考える
「これからの企業」「これからの都市」
第8講 私たちはどこに立っているのか?
「戦後の日本経済史」
おわりに 「チャレンジして失敗できる社会を!」
読むきっかけ
以前に姉妹本である「思考をみがく経済学」を読んで、ミクロ経済について分かりやすく解説されていたので本書にも興味を持ったので読みました。
感想
経済学に関しての様々な用語や経済状況を左右していく動向について解説されています。
生産性を向上させる方法として「移す・積む・慣れる」という3つがあり、それぞれの段階を古典派的成長、新古典派的成長、現代的成長と述べています。
・移す:生産性の低い仕事に従事している人を生産性の高い仕事に移す
⇒古典派的成長
・積む:機械などの設備を導入して生産性を上げる
⇒新古典派的成長
・慣れる:仕事に習熟することによる成長
⇒現代的成長
本書でも述べられていますが、自分の周囲がどのフェーズにあるか観察することは適切な判断をするのに大切だと感じました。
その他にも「金融政策」や「財政政策」の与える影響についての社会全体についの話やコミットメントを用いて近視眼的な行動を防ぐなど日常でも試せる話もあり面白いです。
「思考をみがく経済学」と同じく、経済学にどんな考え方があるのか知りたい方にはお勧めできる本だと思います。