概要
タイトル:本の「使い方」
著者 :出口治明
教養やさまざまな知識を与えてくれる「本」。
人生のおいしいおかずのような「読書」について、著者の「選び方」「読み方」「使い方」などを紹介しています。
豊富な読書体験を持つ著者の本との付き合い方から、読書の楽しみ方、活用法を知ることができます。
読書好きの私が、どのように本と向き合っているのか。私が思う「本の面白さ」とは何か・・・・・。本書は小さい頃から本と一緒に育ってきた、私なりの個人的な読書論です。
幼少期から今日までを振り返りながら、「読書の面白さ」や「読書の有用性」について、ひも解いてみようと思います。
(はじめに p6)
構成
はじめに
1章 本とは「何か」 ー教養にいつて考える
2章 本を「選ぶ」 ー「面白そうな本」という鉄則
3章 本と「向き合う」ー1行たりとも読み飛ばさない
4章 本を「使う」 ー著者に左右される人、されない人
5章 本を「愛する」 ー自分の滋養、他者への架け橋
おわりに
編集後記
本書内での書籍一覧
ポイント
5つの優位性
人生を豊にする教養を得る方法として、「人」から学ぶ、「本」から学ぶ、「旅」から学ぶ、3つの術を取り上げています。
どれも有効な方法ですが、「本」から学ぶことは5つの優位性を持っています。
①何百年も読み継がれたもの(古典)は当たり外れがない
→マーケットを生き残った、古典の名著は当たり確率が高い
②コストと時間がかからない
→人と会ったり、旅をしたりするのに比べ経済的にいろんな考えが知れる
③場所を選ばず、どこでも情報が手に入る
→本は、いつでも、どこでも、自由に、情報に触れられる
④時間軸と空間軸が圧倒的に広くて深い
→古代から現代まで時間や空間を超えて知識が得られる
⑤実体験にも勝るイメージが得られる
→印象的な本は、体験に勝る影響を与えることがある
「人」「旅」がなかなか難しくなってしまった今、本の有用性を改めて感じられるポイントです。
また、「人」「旅」のお供にも「本」はなります。
最近は電子書籍もあり、冊数を気にせず持ち運べるようにもなったので、さらに使い勝手も良くなってますね。
私はあまり古典を読めていないので、本書で紹介されている古典の良書に触れてみたいなと感じました。
古典の選び方
古典をあまり読んだことのない人への選び方をアドバイスしています。
①書店や図書館で、薄い古典を「10冊」ほどピックアップする
②タイトルを眺めて、気になる作品を2〜3冊選ぶ
③読んでみておもしろければ、そのジャンルを広げる
岩波文庫がラインナップ充実しているので選びやすく、解説書より原典をおすすめしています。
参考にして、本屋さんや図書館に古典探しに行ってみるのも楽しそうです。
薄い古典、あまりイメージなかったですが見つけられるかな。
ビジネス書との距離の取り方
著者は、現代のビジネス書に疑問を呈しています。
理由として
①ビジネス書は、後出しジャンケンである
②ビジネス書は、抽象化されすぎている
ことをあげています。
私はよくビジネス書も読むこと多いので耳が痛いところがあります。
肝に銘じながら読まないといけないと感じました。
もちろん、ビジネス書にも良書はあるとも述べており、「ちきりん」さんの「自分のアタマで考えよう」などをあげています。
ビジネス書は、毎年大量に世に出ているので、良書を見つけるのはなかなか難しいかもしれませんね。
そういった意味でも、著書が古典をお薦めしている理由がわかりました。
感想
著者の本に関する付き合い方から、自分の本の読み方を考えさせられます。
各章の中でテーマに合った本も紹介されているので、今後読んでみたい本の参考になりました。
なかでも、古典のおすすめはたくさんありましたので、古典など触れて見たい方はこれから読んでいく参考になる一冊だと思います。