概要
タイトル:ユーチューバーが消滅する未来
2028年の世界を見抜く
著者:岡田斗司夫
著者が考えるこれからの近未来に訪れるであろう出来事を予測しています。
タイトルにあるユーチューバーの未来だけでなく、私たちの生活に関わることについて様々語られています。
そして、そんな時代でどう生きていけばいいかについて著者の考えが述べられています。
「未来格差」を認識せよ
言うまでもないことですが、格差はますます拡大して行くことになります。
その格差とは、所得や教育というより、未来に対する感度によって生じる「未来格差」です。
今安定しているからといって、何となく大企業に入って将来性のない仕事に就き、そこで20年、30年とキャリアを重ねてもしょうがない。そんな勝ちの薄い目に一点掛けするより、いくつもの多様な仕事に関わって、収入源を複数持っていた方が、よほどリスク分散になります。
(中略)
生き延びるため、僕たちは未来がどんな方向に向かっているのかを知らなければなりません。
(序 「未来格差」に備える p018-019)
構成
序 「未来格差」に備える
第1章 未来予測の3大法則
第2章 自分を「盛る」時代
第3章 AIがユーチューバーを淘汰する
第4章 アイドルは新時代の貴族になる
第5章 アマゾンが不動産へ進出
第6章 バーチャルとリアルの恋愛の境界が消える
第7章 AIロボットが家族の代わりに
第8章 人工知能が政治を変える
終 未来の幸福論
ポイント
現在進行形の価値観の変化として、以下の3つを上げています。
①「第一印象至上主義」:第一印象を絶対視してしまう。
自分の好む情報だけを取り込んでしまう。
②「考えるより探す」 :自分で回答を考えない。
大勢の意見から、自分に合った意見を選ぶ。
③「中間はいらない」 :超メジャーなプロしか生き残れない。
中間層は無料のサービスに取って代わられる。
①、②はネットの普及やSNSでの公での個人間のやり取りが早くできるようになったことの影響で使用するものの立場から注意していけないと感じました。
③に関しては、今普通に働いている人間には、残酷な世の中になっていくとぞっとしています。
「僕たちは、安さと便利さには勝てない」と本書でも述べていますが、的を得ていると思います。
さらに、AIの進化でさらに人から置き換えられている未来を予想しており、興味深くもあり、恐ろしくもあります。
人間ユーチューバーは、AIユーチューバーに淘汰される
(第3章 AIがユーチューバを淘汰する p071)
終章では、生き残るための仕事の見つけ方として以下のように述べています。
うまくやっている人の役に立つか、うまくやっている人の機嫌を取るか、どちらかです。
(終章 未来の幸福論 p204)
なるほど、人間、自分のことを過信しすぎることもあるので、意識してみると役に立つかと思います。
(人を組織としてもいいかもしれません)
感想
著者の未来に対する予測は非常に興味深くて面白いです。
ただ、将来は今自分が考えている普通がどんどん無くなっていくと感じると怖いですね。
終章「未来の幸福論」では、そんな将来を「どうせならおもしろがっていこう」と励ましてくれています。
不安定な未来に向けて私も楽しんでいこうと思います。
将来に対していろいろと予測して先んじて活動している著者なので、将来のことを何かつかみたいと思う方にはお勧めです。
ご一読ありがとうございます。