こゆのときどき日記

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「読者ハ読ムナ(笑)」を読んで

概要

タイトル:読者ハ読ムナ(笑)

著者:藤田和日郎

   飯田一史

 漫画家の藤田和日郎氏が自身のアシスタントが漫画家デビューするまでの物語が書かれています。

 物語の中でアシスタントが藤田氏と担当編集者の武者氏とやり取りする中で漫画家としての心構えやノウハウを学んでいく姿が描かれています。

 

 この本は、漫画家の藤田和日郎が、自身の創作論を語ったものです。

 企画の発端は、藤田氏の仕事場から『烈火の炎』『M:AR』の安西信行や『美鳥の日々』の井上和郎、『花もて語れ』の片山ユキヲ、『サムライ・ラガッツィ』の金田達也、『ムシブギョー』の福田宏、『金色のガッシュ!!』の雷句誠各氏をはじめ、非常にたくさんの作家が輩出されているのは、何か理由があるからではないか?と関心を持ったことにあります。

 漫画家は無数にいますが、ここまで次々とアシスタントがプロ作家として育っている仕事場は、極めてまれです。

 であれば、藤田和日郎の仕事場の秘密を語ってもらうことで、漫画家になるために必要なノウハウや、あるいは、弟子や後輩を育てたいと思っているがなかなかうまくいかないひとたちの参考になる何かが得られるのではないか?

 そう考え、「藤田氏の仕事場に、小学館新人コミック大賞に引っかかったばかりの新人漫画家志望がアシスタントとして入ってきた」という体で、彼がスタッフにいつもしているような指導を語ってもらうことにしました。

(まえがき p2-3)

構成

まえがき 

一、漫画家になりたいんならかいわできんとさ!

ニ、ストーリーにキャラをあてはめたらダメ。

  ストリートキャラは往き来しながらつくってな!

三、「キャラクターを立てる」とはどういうことさ?

四、魅力的な絵を描くには、細かい技術論より「絵の目的」が最重要

五、「キミだけのオリジナリティーを」?

あとがき

 読むきっかけ

 「読ムナ」と言われると読みたくなってしまう、漫画家になるかはともかく絶対面白そうだと思いました。

 感想

 藤田氏の熱い漫画論がアシスタントとの会話を通して伝わってきます。

 序盤は藤田氏のアシスタントとしての心構えから始まり、後半は悩めるアシスタントへ構成やオリジナリティーの出しかたのアドバイスをしています。

 また編集の武者氏とのやり取りでは、漫画家と編集者ってこういう話をしたりしているんだと読んでて興味深かったです。

 成長するアシスタント君につい感情移入してしまいます。

 漫画家になりたい方は参考にもなりますし、そうでない方もアシスタント君との会話は面白くてすいすい読み進めていけるのでお勧めです。

  ご一読ありがとうございます。