概要
タイトル:「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」
著者:ふろむだ(ブロガー)
ブログ「分裂勘違い君劇場」の著者であるふろむださんが思考の錯覚について解説されています。
本書では思考の錯覚からくる資産を「錯覚資産」としてどう扱っていけばよいのか述べられています。
たとえばあなたがイケメンor美人だとすると、あなたに会った人は、あなたの実力を、実際以上に高く評価する。
これは思考の錯覚なのだけれど、この思考の錯覚には、次の2つの特徴がある。
・他人があなたに対して抱く思考の錯覚。
・その思考の錯覚は、あなたにとって都合がいい。
この2つの特徴を持った思考の錯覚は、あなたの資産として機能する。
なので、こういう思考の錯覚を、本書では「錯覚資産」と呼んでいる。
(自分はハロー効果に騙されないと思っている人が騙される理由 p52-53)
構成
はじめに
おいしいのは「正しいとしか思えない間違っていること」
自分はハロー効果に騙されないと思っている人が騙される理由
学生と社会人では人生ゲームのルールが根本的に異なる
誰も卑怯と気づかない卑怯なやり方が最強の勝ちパターン
運ゲーで運を運用して勝つ方法
優秀な人間が運に左右されずに成功する理由
食欲でも睡眠欲でもない、性欲よりもはるかに切実な欲望
なんでも悪く解釈される人とよく解釈される人の違い
ダメな奴にはなにをやってもダメという呪いの正体
自分の意思で選択しているとしか思えない
成果主義という名のインチキゲームの裏をかいて勝つ方法
幸運を引き当てる確率を飛躍的に高くする方法
思考の死角に棲む悪魔の奴隷から主人になる
美しき敗者と醜悪な勝者、どちらになるべきか?
有能な人と無能な人を即座に見分けらるのはなぜか?
自分は公平だと思っているえこひいき上司の脳内
欺瞞が錯覚を大繁盛させる
思考の錯覚のまとめ
錯覚資産を雪だるま式に増やしていく方法
おわりに
読むきっかけ
これからは成果主義、実力主義だとよく言われているので違った視点から見ている本書を読んでみようと思い手に取りました。
感想
人が判断を下す際に無意識がどのような影響を与えているかが過去の研究内容を紹介しながら分かりやすく解説してあるので理解しやすかったです。
「学生と社会人では人生ゲームのルールが根本的に異なる」のなかで受験勉強時と社会に出てからの成功・失敗を決める要因としての「運」「錯覚資産」「実力」の割合について説明がありました。
社会に出てから「実力」以外の要素について左右されるということを認識できていないとギャップがきつそうだなと感じました。
また、成功に対する「運」の要素についての考え方については参考になり、様々なことに対して試してみることの大切さを改めて認識できました。
実際には、単に実力があるかどうかで、いい環境をゲットできるかどうかが決まるわけではない。かなりの実力があるのに、ひどい環境で働いている人だってたくさんいるし、たいして実力がないのに、環境が恵まれている人だって、たくさんいるのだ。
なにがその違いを生んでいるかというと、錯覚資産と運なのだ。
成功の主要因が運であるということは、「サイコロを振る回数を増やさないことには、成功確率はなかなか上がらない」ということを意味する。
(幸運を引き当てる確率を飛躍的に高くする方法 p229-230)
「ハロー効果」や「後知恵バイアス」など無意識にかかわる効果を知ることができ、知る前と後ではものの見方が多少なりとも変わると思います。
「運」「錯覚資産」「実力」のとらえ方はとても面白いので読んでみると参考になると思います。