こゆの読書と美術の備忘録

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【読書】年収崩壊

概要

タイトル:年収崩壊

     格差時代に生き残るための「お金サバイバル術」

著者  :森永卓郎

 低下していく年収の中で広がっていく格差、その中で自分の資産をどう守って楽しく生きていけるのか?

 その「サバイバル術」について述べられています。

 2007年に書かれた本なので、当時の世相からの予測などが今どうなっているかに着目しても楽しめると思います。

この本は、私たちの年収を取り巻く環境がどのように変わってきたか、どう変わろうとしてるのかをコンパクトにまとめています。この本が、みなさんの人生設計を考える際のヒントになれば幸いです。

(はじめに p5)

構成

はじめに

第1章  崩壊する日本人の年収

第2章  格差社会がライフスタイルを変えていく

第3章  格差社会は広がっている

第4章  あなたを守るための資産運用

第5章  定年後、楽しく生きるための知恵と工夫

おわりに

ポイント

 年収がどんどん下がってきている話や資産運用系の話もありますが、一番大切なことはまずはきちんと働いて身の丈に合った生活をすることと述べています。

 堅実な生活あってそこからの対策が生きてきます。

流れを変え始めた個人マネー

 2007年当時から株式や投資信託などのリスクある金融商品への投資額が増えてきているということが述べられています。

 私はこのころは投資をしていなかったのですが、そのころからリスク資産へ投資が活発になってきていったことは意外でした。

 しかし、その後リーマンショックがくると分かって読んでいると、なかなか日本に投資が広がっていかないのにも妙に納得できました。

がんばらないことの大切さ

 著者は、市場原理として一流と二流の報酬格差は100倍あると述べています。

 強者と弱者の格差はどんどん広がり「負け組」にならないように頑張ろうとなります。

 その中で、人生のコースが3つに分かれます。

①勝ち組になろうと思って勝ち組になる

②最初からあきらめて負け組になる

③勝ち組を目指しながら負け組になる

 「勝ち組を目指しながら負け組になる」は非常にきついですが、日本には意外と多いはずです。

 著者は、無理に勝ち組になろうという生き方は進めていません。

 勝ち組にならずともスポーツカーではなく大衆車、システムキッチンではなく普通の流し台は使えるので見栄を張らなければ十分ではないかと述べています。

 私は、「勝ち」をどこにもってくるのは人それぞれと思いますが、どこまでを目指すのを年に一回でも見つめなおしてみるのが心の健康のためにも無理しすぎずいいのかと感じました。

 欲望は限りないので、原動力にもなりますがコントロールできないとかえって不幸になってしまいます。

 感想

 予測には当たりはずれもありますが、「年収」という面をみるとあまり良い未来になっていないので、その対応策として参考になる本だと思いました。

 資産運用関係もありますが、まずはきっちり働いてその上に積み上げていくことは堅実ですね。

 しかしながら、この本が書かれているのがリーマンショック前なので、「この後リーマンショック来るんだよな」と思いながら読むとちょっとしたホラー要素も感じてしまいました。

 過去の振り返りもかねて当時の世相を感じたい人にもおすすめの一冊です。

 ご一読ありがとうございます。