概要
会場・期間
会場:熊本県立美術館
会期:4月14日(金)~7月2日(日)
企画展開催概要
白隠・仙厓の禅画の展示会です。
キャラクター性あふれる和やかな画風は親しみを感じさせてくれます。
緩い絵の中にも伝えたいメッセージもあり楽しく鑑賞できます。
禅宗が日本に伝わって以来、臨済宗の寺院において禅林美術が盛行し、例えば室町時代の雪舟もその中から輩出されるなど、優れた書画が生まれる土壌がありました。江戸時代中期になると、白隠慧鶴(はくいんえかく)が、独自の表現によって禅のさまざまな画題を表現しました。江戸時代後期には、仙がい義梵(せんがいぎぼん)が親しみやすい画風で禅の画題を描き、これらはのちに「禅画」と呼ばれるようになります。
永青文庫には、白隠や仙がいによる禅画のコレクションが豊富にあります。近代美術品のコレクターとして名高い細川護立は、10代の少年期に肋膜炎を患い病床に伏していたとき、白隠が著した『夜船閑話』に出会い、感銘を受けたことがきっかけで白隠の書画を収集するようになりました。また、護立は白隠の収集を進めるうちに、仙がいの作品にも出会い、併せて買い求めました。白隠や仙がいの、機知に富み、ふと考えさせられる要素も含んだ作品は、現代の我々の心に響くものです。
本展では、白隠と仙がいの作品を中心に、禅画の世界を紹介するものです。当館の細川コレクション展では初めての企画です。ぜひご覧ください。( [2023年4月14日~7月2日]細川コレクション 白隠と仙がい - 熊本県ホームページ
)
展示作品
七福神図(仙厓義梵)
見るからにゆるい七福神が描かれています。
にこやかな顔から今にも福がやってきそうです。
つい、拝んでみたくなるようなありがたい絵です。
お灸お福図(白隠慧鶴)
お多福が男の痔の治療をしている図と見せて、男の服に金金と書き、当時の金満な世相を皮肉った絵画でもあります。
絵画に添えられた文で
「智有るを以て貴し」を「痔有るを以てたつた一と火(痔があるのでたった一つの火で治療してやろう)」
と文字った遊び心も面白いです。