概要
タイトル:人間力を高める読書法
著者 :武田鉄矢
武田鉄矢さんがパーソナリティをしているラジオ番組「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」で紹介した本を書籍化したものになります。
本書では、特にビジネスマンの生き方にプラスになりそうな本が見繕ってあります。
13冊の本が独特な切り口で語られています。
この本で紹介する本は
すべてボディビル的な本じゃありません
一言でいえばメソッドを伝える本じゃないんです
メソッドばかりで人生をすごしていくとむなしいよ
(カバー袖)
構成
はじめに
序論
1行バカ売れ
GO WILD 野生の体を取り戻せ!
ザ・ラストマン
体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか
失敗の本質
修業論
持丸長者[幕末・維新篇]
狼の群れと暮らした男
日本語が世界を平和にするこれだけの理由
アドラー心理学入門
福井モデル 未来は地方から始まる
しらずしらず
あとがき
ポイント
体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか
食べ物の良し悪しのブームは定期的に繰り返しておとずれています。
「肉を食べた方が良いのか悪いのか」「白米がいいのかパンがいいのか」など、さまざまありました。
現代のエピソードから、江戸時代や昭和の脚気に関するエピソードなど交えて、主張が出ては、反論が出ての繰り返しについて解釈を加えて述べられています。
最後は、行ったり来たりの健康論に読むのを脱出してしまったみたいです。
健康論もブームに過ぎないので、あまり振り回されないように警鐘を鳴らしています。
修業論
因果論的考え方の持つ危うさを述べています。
自分の現状を、因果の語法で語り出すと敵(原因)を作り出してしまう。
敵を排除しようという発想になると、パワハラに繋がったりしてしまう。と述べています。
目的を持つこと、原因に対して対策することは良いことだと思っていますが、この考え方は興味深かったです。
武道(合気道)から着想を得ているので、普段と違った心のあり方を解説してくれています。
アドラー心理学
アドラー心理学の解説、ユングの言葉、自身の経験を交えながら人生の起伏について語られています。
その中で、アドラー心理学の著者、岸見さんのミルクポットに落とされた2匹のカエルの話が印象に残りました。
1匹は不運を嘆き沈んでいく、もう1匹は必死にもがいているうちにミルクがチーズになった足場を使って外に出ていく話をされています。
「ミルクポットに落ちても、あきらめず、もがくカエルになろう」
必死になっていることが、今あるのか考えさせられました。
感想
さまざまな本を著者独自の視点で語られているので面白いです。
自身の考えだけでなく、他の本と合わせて解説しているのも面白みに深みを与えていると感じました。
ラジオだと、聞き手の水谷加奈さんとのやりとりもありつつさらに分かりやすく面白い内容になっています。
13冊も本が紹介されているので、何かしら興味を惹かれるものがあると思います。
ラジオ聴いている方、何かしら読む本のきっかけを作りたい方にとってもおすすめな一冊です。
ご一読ありがとうございます。