概要
タイトル:チーズはどこに消えた?
著者 :スペンサー・ジョンソン
チーズを求める4者の物語から、思考の「単純さ」のもつ強みと「複雑さ」の落とし穴について感じることができます。
シンプルな物語の中に人生の教訓が詰まっています。
この物語に登場するのはー
ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホー。
2匹と2人は「迷路」の中に住み、「チーズ」を探します。
「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、
つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定・・・等々の象徴。
「迷路」とは、チーズを追い求める場所、
つまり、会社、地域社会、家庭・・・等々の象徴です。
この一見シンプルな物語には、状況の急激な変化にいかに対応すべきかを説く、深い内容がこめられているのです。
(表紙そで)
構成
ケネス・ブランチャード博士による裏話
ある集まり シカゴで
物語 チーズはどこへ消えた?
ディスカッション その夜
役者あとがき
ポイント
苦労して手に入れたものが突然なくなったとき
物語の始め、2匹と2人は大量のチーズを見つけます。
しかしながら、そのチーズはある日なくなってしまいます。
2匹は事態を詳しく分析はせず、新たなチーズを探しに出かけます。
2人は事態を検討し続け、なかなか動き出せませんでした。
2人が何もできずにいた間に、2匹は大量のチーズがある新しい場所を発見することができました。
物語の中では、「単純」の象徴として描かれている2匹ですが、この話では考えてどうしようもないことに悩むより、行動することが目的へ達する近道であることを示唆しています。
また、2人のもうないチーズへ固執する様子から成功体験を捨てる難しさを感じました。
停滞から抜け出すために
チーズのなくなった場所に残っていた2人の考えも分かれてきます。
ヘムは変わらず動こうとしませんでしたが、ホーは新しいチーズを見つけるために動き出します。
最後にホーは、2匹と同じ新しいチーズのある場所へたどり着きます。
ホーもチーズを探しに行って見つけるまでに、恐怖や不安を感じますが新しいチーズを手に入れる希望を考えることで乗り越えています。
そして、新しいチーズをみつけるまでの要点をまとめています。
・変化は起きる
・変化を予期せよ
・変化を探知せよ
・変化にすばやく適応せよ
・変わろう
・変化を楽しもう!
・進んですばやく変わり再びそれを楽しもう
過去へのこだわりを捨てて、変化があるものとして受け入れる姿勢と、楽しむ姿勢が大切です。
ディスカッション
物語の後に、話の聞き手のディスカッションが記述されています。
ここでは、現実に生活する人が「チーズはどこに消えた?」の物語を聞いて感じたことを話し合っています。
現実の世界へ落とし込んだ話になっているので、教訓として受け取りやすくなっています。
感想
有名な本で話も大体聞いたことはあったのですが、短いながら本書で語りたい「単純さ」と「複雑さ」について感情移入しながら読むことができます。
まさに「下手の考え休むに似たり」が物語になっている感じです。
自分が、スニッフ、スカリー、ヘム、ホーのどのタイプか考えてみるとより楽しめます。
変化に対して行動しようという勇気を与える本だと思います。
気軽に読めるので、大人から子供にもおすすめの一冊です。
ご一読ありがとうございます。