こゆの読書と美術の備忘録

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【読書】限りある時間の使い方

概要

タイトル:限りある時間の使い方

著者  :オリバー・バークマン

訳者  :高橋璃子

 時間は有限です。

 いくらタスクを効率よくこなしても、その分別のものを詰め込んでしまえば永遠に時間の余裕を得られることはありません。

 何に時間を使うかの選択こそが、自分の時間を取り戻す鍵になります。

 本書は、時間をできるだけ有効に使うための本だ。

 ただし、いわゆるタイムマネジメントの本ではない。

 これまでのタイムマネジメント術は失敗だらけだった。そろそろ見切りをつけたほうがいい。

 時間がぽっかりと宙に浮いたような今こそ、時間との関係を再考する絶好の機会かもしれない。先人たちが直面してきた問題を現代に当てはめてみると、ある真実が明らかになる。

 生産性とは、罠なのだ。

(イントロダクション p013-014 )

構成

イントロダクション

PART1 現実を直視する

 第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか

 第2章 効率化ツール逆効果になる理由

 第3章 「時間がある」という前提を疑う

 第4章 可能性を狭めると、自由になれる

 第5章 注意力を自分の手に取り戻す

 第6章 本当の敵は自分の内側にいる

PART2 幻想を手放す

 第7章  時間と戦っても勝ち目はない

 第8章  人生には「今」しか存在しない

 第9章  失われた余暇を取り戻す

 第10章 忙しさへの依存を手放す

 第11章 留まることで見えてくるもの

 第12章 時間をシェアすると豊かになれる

 第13章 ちっぽけな自分を受け入れる

 第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす

エピローグ 僕たちに希望は必要ない

付録 有限性を受け入れるための10のツール

謝辞

ポイント

現代人の時間の考え方

 現代人の時間に追われる感覚、捉え方について分かりやすく容器として例えています。

 ベルトコンベアで、時間を1時間や1日といった容器が運ばれている。

 容器にタスクを埋めてられないと、時間を無駄にして落胆してしまう。

 容器にタスクが埋め切れないと、忙しすぎて疲れてしまう。

 容器にちょうど良いタスクを埋められた時だけ、時間を管理できていると感じる。

 

 容器を上手に埋めていくパズルゲームのような発想は、まさにそうだなと思いました。

 時間の空っぽの容器を作れる心の余裕は、現代では難題の一つです。

 効率化すればするほど、タスクが集まってきて容器をいっぱいにしてくるように周囲も働きかけてきます。

 カチカチにタスク入れてこなせる快感はありますが、時には何もない時間を許せるようになりたいです。

タスクを減らす3原則

 タスクを上手に減らすための3つの原則をアドバイスしています。

1.まず自分の時間の取り分をとっておく

 →余った時間を当てようは、実現できない

2.「進行中」の仕事を制限する

 →自分でできることが有限であることを理解する

  仕事を適切な大きさにすることで上手く進められるようになる

3.優先度「中」を捨てる

 →優先度「中」のタスクはこなせそうで魅力的だが重要でない

  時間は有限なので、切り捨てる必要がある

 

 油断するとすぐ、時間を切り取られたり、埋められたりしてしまいます。

 どれも完璧にこなせるほど割り切れませんが、10→7→5といった具合で少しづつ減らせれば良いなと思います。

 多分、減らしたと思ったらまた増やされて、減らしてといった繰り返しなので、時間がないなと感じたら即実行が一番現実的ですね。

時間が有限であることを受け入れるための10のツール

 人生の時間が限られていることを受け入れる実用的な10のテクニックが紹介されています。

1. 「解放」「固定」のリストを作る

→解放:抱えているすべてのタスクを書く

 固定:解放リストから上限を決めて移す(決めた上限数から増やさない)

 固定リストのタスクに集中した方が、重要なことを多く達成できる

 

2. 先延ばし状態に耐える

→本当に重要なプロジェクトのみ取り組む

 

3. 失敗すべきことを決める

→失敗を許容することで、自分を責めることを避ける

 

4. できなかったことでなく、できたことを意識する

→出来たことに注力することでモチベーションを上げる

 

5. 配慮の対象を絞り込む

→自分の配慮にも限りがある、余計なことに配慮を注ぐ余裕はない

 

6. 退屈で、機能の少ないデバイスを使う

→便利なデバイスの誘惑から逃れるのは難しい

 機能を絞ることで集中できる環境を整える

 

7. ありふれたのもに新しさを見出す

→ありふれた一瞬に注意を払うことで、人生の解像度を上げる

 

8. 人間関係に好奇心を取り入れる

→他人の予想外の行動に興味を持つことで、「こうすべき」という苛立ちから解放される

 

9. 親切の反射神経を身につける

→後回しにして親切にできないよりずっといい

 

10.何もしない練習をする

→何もしないができることは、自分のために時間を使っている証拠

 

 「解放」「固定」のリストは、特に使ってみたいと思いました。

 大切なことが埋もれてしまわないようにする良い方法です。

 優先なことを決める、「今」に集中できる環境を作る、自分を責めないことが重要です。

感想

 本当の時間の大切さを思い出させてくれる本です。

 何のために、効率化して仕事を早く終わらせるのか?を自分に問い直しても良いと思います。

 優先度「中」のタスクが手頃感あって魅力的、でも重要では無いという提示には考えさせられました。

 時間について考えたい方、自分の時間を作りたい方などにおすすめな一冊です。

 ご一読ありがとうございます。

 

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