概要
タイトル:「書ける人」になるブログ文章教室
著者 :山川健一
昔と比べて、自分の書いた文章を公開することが簡単になりました。
ブログもその一つの形態です。
自由に表現できる、ブログという媒体で書いていくにあたって、「書き続ける」「上手に表現していく」方法についてアドバイスしています。
ほんの少し「書く」ことを意識するだけで、文章は格段に上達する。
うまくいかずに落ち込むこともあるだろうが、それでも書きつづけていくことが「書ける人」になるための方法なのだ。
本書から「書く」ためのヒントをいくつか拾っていただければ、これ以上の喜びはない。
(はじめに p2/2)
構成
はじめに
第一章 「タダの日記」ではいけないのか?
第ニ章 記事、論文、コラム、エッセイ、小説
第三章 あなたのブログがつづかない三つの理由
第四章 なぜ書くべきか、何を書くべきか
第五章 読みやすく魅力的な文章とは何かー文体をめぐって
第六章 ブログ文学の誕生
第七章 ブログを書籍化する
第八章 小説を書くためには
あとがき
ポイント
日記文学・随筆とブログ
「枕草子」や「土佐日記」「徒然草」のような作品、実は現代のブログ日記と同じものと述べています。
確かに、中身は日々の出来事を書いたものなので同じといったらその通りですね。
ブログで日々の出来事を書くことが、思いがけず文化的な行為になっているのは考えてみると面白いです。
また、日本語の散文のノンフィクションの文体は「枕草子」「方丈記」「徒然草」いずれかに当てはまるというのはとても興味深かったです。
人間ツールなどが変わっても、考えることは昔からあまりかわわないのかなと感じました。
自分なりの文体の作り方
ブログで自分なりの文体を作って個性的な表現をしたい!
と思ってもなかなか難しいものです。
なぜなら、言葉とは共有できてこそ言葉なのであり、自分だけのオリジナルな言葉はないからです。
そして、共有されている言葉から、オリジナルな自分だけの文体を作り出すことは、大変難しいと述べています。
本書では、難しい「自分なりの文体」作りについて次のようにアドバイスしています。
1.好きな世界を見つける
2.その世界の先達の表現を暗唱できるくらい呼吸する
3.自分の言葉をアウトプットする時にはあくまで「普通」を心がける
加えて、「ターゲット読者層を絞り込め」と述べています.
ブログの文体などは、私もブレブレなところあるので、参考にしていい文を書けるようになりたいです。
ブログの書籍化
ブログの書籍化される際のやりとりなど、書く側だけでなく、編集者視点からの葛藤など述べられているので面白いです。
結末のないブログを書籍にするとき、巻末の終わりをどうするのか?など、普通の書籍とは違ったハードルがあるみたいです。
ブログが書籍化された本も読むことありますが、こういった話を考えながら読んでみるとまた違った楽しみ方ができると感じました。
感想
ブログの書き方、だけでなくブログを書くことの文学的な繋がり、文章を書くときのコツなども書かれている幅広い範囲に焦点が当たっています。
ブログって何だろうというものの振りかえりにもなりました。
ブログを書いている人、ブログを書くことちょっと深掘りしてみようという方におすすめな一冊だと思います。
ご一読ありがとうございます。