概要
タイトル:サラリーマン介護
著者:池田心豪
仕事と介護の両立を研究領域にしている著者が働きながら介護するために知っておきたいことについて解説しています。
高齢者の増加を背景に、老親や配偶者といった家族の介護に直面するサラリーマンが増えていますが、それらのサラリーマンのうち年間10万人のひとが介護を理由に仕事をやめている事実をご存じでしょうか。
このいわゆる”介護離職”の問題は、団塊世代の要介護者が増える今後、ますます深刻になるものと予想されます。しかし、過剰な不安は無用。実際、仕事を続けながら介護をしているサラリーマンの方が、離職者よりも圧倒的に多いのですから―。
(中略)
もちろん、実際の生活では絵に描いたようにいかないこともあります。そうした局面をいかにして乗り切るかのヒントが、本書にはたくさん載っています。仕事も家族も大切にしたい―そんな思いで本書を手に取った皆さんのお役に立つことができれば幸いです。
(はじめに p2~3)
構成
はじめに 仕事と介護―両方大切にするために
プロローグ 仕事と介護―両立させるために知っておきたいこと
第1章 仕事と介護は両立できる!
・「職場の理解」と「制度の利用」で負担はうんと軽くなる!
・仕事と介護を両立させるための制度や働き方を知っておこう
・自分に合った社会支援をうまく使う
・”在宅介護”か”施設介護”かの見極めは
・実例にみる両立の実際
・「ひとりで抱え込まないこと」が両立を可能にさせる
第2章 知っておきたい! 施設と介護サービス
・病院から退院したあとに、体の機能を回復・改善させたいとき
・家で生活するなかで、何らかの助けが必要なとき
・自宅での介護を少しの間、中断したいとき
・自宅で介護するのが困難になったとき
・認知症があり、自宅で介護するのが心配になってきたとき
第3章 知って得する! 介護をマネジメントするコツ
・介護にかかる経済学
・こんなとき、どうする?
・仕事と介護の両立をめざして
感想
実際の介護の実例や制度・施設について解説しているので、まったく知らない方には非常に参考になると思います。
地域包括センターや訪問歯科診療については知らなかったので、本書の解説で知ることができ良かったです。
・訪問歯科診療
「口内にトラブルがあるが、通院は困難」「専門家のケアで、口の中を健康に保ちたい」という人は、訪問歯科診療が利用できます。
これには、医療保険が使われるものと介護保険で対応するものがあります。虫歯や歯周病の治療、予防、また入れ歯の作製や調整、修理などは医療保険でカバーされます。口腔ケアによる感染症や誤嚥性肺炎の予防や嚥下生涯のリハビリテーションなどが、介護保険の住宅療養管理指導として行われます。
(第2章 知っておきたい! 施設と介護サービス p115-117)
働いていて忙しい人で、介護のことが気になる方は読んでおくと予備知識が得られていざというとき役立つと感じました。
気になる方は手に取ってみてはいかがでしょうか。
ご一読ありがとうございます。