概要
タイトル:ファイナンス思考
著者:朝倉祐介
日本にアマゾンのような企業がなぜ出てこないかという事を「ファイナンス思考がきちんとできていない」という視点から述べています。
特に目先の売り上げや利益を最大化することを目的視する「PL脳」が原因であると指摘しています。
日本になぜアマゾンは生まれないのか
日本からアマゾンのように大きくスケール(成長)する企業が輩出されないのはなぜか。
なぜバブル崩壊以降、先進的な技術や優秀で勤勉な人材を抱えているはずの日本企業が、総じて停滞してしまっているのか。
どうすれば、日本から真に社会的インパクトを発揮する企業や新産業を創出することができるのか。
(中略)
こうした現状の背景に、少子高齢化と人口減少による産業・消費の停滞といった社会構造の変化が大きな影響を及ぼしているということは、広く共有されている理解でしょう。ですが、こと、ビジネスの当事者や仕事の現場に目を向けると、「ファイナンス思考」の有無が、企業・経済の成長を大きく左右しているように思われてなりません。
(はじめに pⅰ-ⅱ)
構成
はじめに
第1章 PL脳に侵された日本の会社とビジネスパーソン
第2章 ファイナンス思考なくして日本からアマゾンは生まれない
第3章 ファイナンス思考を活かした経営
第4章 PL脳に侵された会社の症例と末路
第5章 なぜPL脳に陥ってしまうのか
おわりに
特別付録 これだけは押さえておきたい!
会計とファイナンスの基礎とポイント
感想
会計的なものの見方は大切だと感じていましたが、目先の売上高や利益のみに注目しているだけでは発展していくのは難しいのだと分かりました。
PL脳的な思考による問題点があげられており、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」をビジネスの段階に合わせて適切に活用することが大切だと述べています。
「PL脳」とは、売上高や利益といった損益計算書(以下、「PL」。)上の指標を、目先で最大化することを目的視する思考態度」のことです。
(はじめに Pⅱ)
ファイナンス思考を活かした経営例として「アマゾン」「リクルート」「JT」「関西ペイント」「コニカミノルタ」「日立製作所」の対応例が述べられています。
企業規模の大きな組織の話になり、実際自分がどうするかとなると難しい点はあるかもしれませんが、どうなっているか、どうなるだろうかを考えていく上で理解できると役立つかもしれません。
特別付録の「これだけは押さえておきたい! 会計とファイナンスの基礎とポイント」は会計に関わるキーワードの解説がされているので、用語とか知りたい人にも役に立ちます。
ご一読ありがとうございます。